先日からおすすめのJR路線62選と題して、日本全国にあるJR路線のうちぜひ乗りに行ってもらいたい路線をご紹介しています。前回はPart.1 北海道編をご紹介しました。
今回はPart.2 東北地方編です。
⑨ JR大湊線 (野辺地-大湊) JR東日本
路線名:JR大湊線 (野辺地-大湊)
乗車日:2016年9月,2020年10月
種別 :青い森鉄道直通快速しもきたなど
乗車記:東北一周 4日目、2020年10月など
JR大湊線は青森県の野辺地駅から下北半島を北上し、終着「大湊駅」までを結ぶ地方交通線です。
沿線には本州最北端の駅であるJR下北駅があったり、奥羽山脈が海に落ちて終わる夏泊半島があったり。
大湊線の魅力はやっぱり、日本とは思えない寂れ果てたその車窓でしょう。陸奥湾を望む車窓は北海道の南部よりもずっと最果てという言葉が似合います。
この最果て感を味わうには長駆北海道の花咲線や宗谷線などに乗りに行かねばなりません。
一方大湊線は海を渡らずとも行けるので、北海道の道北や道東はちょっと、という人も足を運びやすいでしょう。新青森までなら東北新幹線を使って東京から乗り換えなしで1本で行けますし、青森からは神のきっぷである北海道&東日本パスを使ってぜひ。
⑩ JR津軽線 (青森-三厩) JR東日本
路線名:JR津軽線 (青森-三厩)
乗車日:2018年1月
種別 :蟹田行き/三厩行き普通列車など
乗車記:未着手
JR津軽線は青森県の青森駅から同じく青森県の三厩(みんまや)駅までを結ぶ地方交通線です。
大湊線が東から北上して下北半島を進むのなら、津軽線は西から北上して津軽半島を北海道方面に進む路線です。
実際、JR海峡線を走る特急白鳥は青森から北海道の函館までを結んでおり、津軽線は津軽海峡線として親しまれていました。現在は北海道新幹線と融合して、並行在来線(?)かつ新幹線連絡路線となっております。
私が津軽線に乗ったのは2018年1月のこと。厳しい寒さの中の乗車でしたが、津軽半島から見る陸奥湾に美しい薄明光線(ヤコブの梯子)がかかっていたのが強く印象に残っています。
また、蟹田駅で乗り換えのために下車したのですが、強烈なデジャビュを感じて立ちくらみを起こしたこともよく覚えています。薄明の中、淡く雪で覆われた蟹田駅は異世界のようでした。
⑪ JR奥羽本線 (福島-青森) JR東日本
路線名:JR奥羽本線 (福島-青森)
乗車日:2016年9月・2018年1月
種別 :山形行き普通列車・秋田行き快速など
乗車記:東北一周3日目など
JR奥羽線は福島県の福島駅から青森県の青森駅まで、奥羽山脈に沿って東北中央を縦断する長い幹線です。
福島・宮城・秋田・青森と実に4県に渡って敷設されています。ちなみに線名は陸奥・出羽から。
奥羽山脈の麓を通るため、奥羽線は日本有数の豪雪地帯を行く路線です。上の写真も載せている通り、冬になるとレールも車両も駅も全てが雪に埋もれます。
その分、冬の奥羽線の車窓はかなりオススメ出来ます。真っ白な雪に覆われた東北の景色はいくら眺めていても飽きません。日本海側の気候なので基本的に天気が悪いのが玉に瑕ですが、幸運にも青空に恵まれるとその美しさに息を呑むことでしょう。
緑いっぱいの夏にも、純白の冬にも乗りたい路線です。
⑫ JR五能線 (東能代-川部) JR東日本
路線名:JR五能線 (東能代-川部)
乗車日:2018年1月
種別 :快速リゾートしらかみ号
乗車記:未着手
JR五能線は秋田県の東能代駅から青森県の川部駅までを結ぶ地方交通線です。
東能代も川部もどこだよといった感じでしょうが、感覚的には日本海側を通って秋田から青森までを結ぶ感じです。
路線名はごのう線と読み、途中駅の五所川原駅と能代から来ているのだと思います。
私は快速リゾートしらかみ号で五能線に初めて乗車しました。リゾートしらかみ号は快速列車であるからして特急券なしで乗れて、かつ、秋田から青森までを乗り換えなしで直通してくれる大変有能な列車です。
五能線は奥羽線から離れ、白神山地の西側を日本海に沿って北上する路線。
車窓の荒々しい日本海と寂れ果てた漁村に息をのむことでしょう。ぜひ冬に乗ってほしい路線です。
なおリゾートしらかみは特急券は必要ありませんが、指定券が必要なので注意。とはいえ北海道&東日本パスを持っていれば別途500円ちょっとで全線を乗車出来るというお得さ満載の列車です。
⑬ JR羽越本線 (新津-秋田) JR東日本
路線名:JR羽越本線 (新津-秋田)
乗車日:2016年9月、2018年1月、2022年10月など
種別 :特急いなほ、酒田発新津行き普通列車など
乗車記:東北一周 5日目など
JR羽越本線は東北の日本海側、新潟県の新津駅から秋田県の秋田駅を結ぶ幹線です。山陰本線から続いてきた日本海縦貫線の一翼を担う重要な路線。
かつては寝台特急「日本海」や寝台特急「トワイライトエクスプレス」も、この羽越線を経由して青森や札幌に向かっていました。羽越(うえつ)という名前は羽後・越後から。
羽越線は日本海沿いに敷かれているため、長い区間で雄大な日本海の車窓を楽しめます。もっとも冬季は日本海からの強風(暴風)が直撃するために列車の遅延や運休が頻発する可哀想な路線でもあります。
長い路線ではありますが、長距離の鈍行列車が設定されているため青春18きっぷ利用者などにも優しい路線です。例えば14:44酒田発で18:48 に終着新津に着くという4時間走り続ける便利な列車があります。実際私もこれに乗りました。
沿線は笹川流れが有名。JR桑川駅での停車時間を利用して展望台から粟島を眺めたのは今でもよく覚えています。
⑭ JR田沢湖線(盛岡-大曲) JR東日本
路線名:JR田沢湖線(盛岡-大曲)
乗車日:2018年1月、2022年10月など
種別 :秋田新幹線こまち号など
乗車記:未着手
JR田沢湖線は岩手県の盛岡駅から秋田県の大曲駅までを結ぶ地方交通線です。
地方交通線なのでローカル線扱いなのですが、実際は秋田新幹線こまち号が超音速で駆け抜ける幹線級の扱いになっています。新幹線が直通して走るために軌道は標準軌になっていて、普通列車も標準軌仕様に魔改造された車両が走っています。
秋田新幹線は東北新幹線から直通運転している関係もあって、東京から秋田に乗り換えなしで移動することが出来ます。冷静に考えて凄すぎる…!
そんな田沢湖線ですが、乗車史としては2018年の1月に大曲から盛岡まで普通列車に乗りました。こっちは鈍行の普通列車に乗っているのに、駅で新幹線こまち号とすれ違うのが奇妙で大変面白かった思い出があります。
車窓としては雪深い東北を行くために美しい雪景色が展開されていて、ぜひ冬に乗って欲しい路線です。
⑮ JR北上線(北上-横手) JR東日本
路線名:JR北上線(北上-横手)
乗車日:2018年1月
種別 :北上発横手行き普通列車
乗車記:未着手
JR北上線は岩手県の北上駅から秋田県の横手駅を結ぶ地方交通線です。
正直、この記事を書くまで北上線についての印象は薄かったです。ところがおすすめ路線を考えるにあたってこれまで撮影した写真を見返していたのですが、北上線の車窓の何と美しいことか!!
2018年の1月という一番雪深い頃であろう時期に乗りに行ったのですが、冬の北上線の車窓は非常に美しい。降り積もった雪を踏みしめながら静かな山中を往く写真を見ていると、ああまた乗りに行きたいなと強く思います。
たぶん夏に行けば何でもない風景なんでしょうけども、色の白いは七難隠すと言いますが雪は平凡な景色を一変させてしまう魔力があります。ぜひ冬に乗りに行ってください。
⑯ JR陸羽東線 (新庄-小牛田) JR東日本
路線名:JR陸羽東線 (新庄-小牛田)
乗車日:2018年12月
種別 :新庄発鳴子温泉行き普通列車など
乗車記:未着手
JR陸羽東線は山形県の新庄駅から宮城県の小牛田駅までを結ぶ地方交通線です。
私が乗車したのは2018年12月で、12月にしては雪の多い年だったので新庄駅周辺ではすっかり雪景色でした。それが硫黄の匂いがする鳴子温泉を経て宮城県に入ると雪が消えて青空が広がり、からっとした冬の空気に変わったのをよく覚えています。
つまり短い間に奥羽山脈を越えて日本海側から太平洋側へと移動したのが非常によく分かる車窓で、冬の日本海側の苦労が偲ばれる路線です。
ただの旅行者である私はわあ雪景色綺麗だなーとしか思ってません。雪かきなんてしたこともありません。なんと罪深いのでしょう。
⑰ JR大船渡線BRT (盛-気仙沼) JR東日本
路線名:JR大船渡線BRT (盛-気仙沼)
乗車日:2018年12月
種別 :盛発気仙沼行きバス高速輸送システム
乗車記:未着手
JR大船渡線BRTは岩手県の盛駅から宮城県の気仙沼駅までを結ぶ、バス・ラピッド・トランジット路線です。
東北地方太平洋沖地震で大きな被害を受けたJR大船渡線の、あくまで暫定の復旧方法として導入されたBRTですが、いつの間にか鉄道路線は廃止され、BRTが最終的な解決手段になってしまいました。苦労して鉄路を復旧させても数十年後に同じ事が起こるのは確実なので、仕方ないのかも知れません。無念です。
そんな大船渡線BRTですが、鉄道路線としての復旧が断念されたこともあって、2018年12月に乗ってきました。
車窓からは美しい海が眺められますが、この美しい海が津波によって全てを奪い去った悪魔と化したわけです。実際バスの車窓からは、海沿いに不自然に何もなくだだっ広い空間がただ広がっていて、明らかに津波にすべてを流された様子を窺い知ることが出来ます。7年経ってもこれか、と絶望したのを覚えています。
有名な奇跡の一本松とそのそばにある崩れた建物(小学校?)も車窓から見ることが出来ます。
被災地の今を知ることのできるJR大船渡線BRT。ぜひ乗りに行ってください。
⑱ JR石巻線 (小牛田-女川) JR東日本
路線名:JR石巻線 (小牛田-女川)
乗車日:2018年12月
種別 :石巻発女川行き普通列車
乗車記:未着手
JR石巻線は宮城県の小牛田駅から同じく宮城県の女川駅までを結ぶ地方交通線です。
女川と聞いて、多くの方は東日本大震災を思い浮かべると思います。リアス式海岸の奥に位置する女川は他の東北太平洋側と同じく津波に襲われて大きな被害を受けました。一方で女川原発は余裕を持った設計だったのでギリギリのところで助かって、第二の福一になることは避けられたのが不幸中の幸いでした。
私は震災から7年後の2018年の12月に、石巻線に乗って女川駅を訪れ、女川の町を少歩きました。
町には津波の痕跡が残っていたりかさ上げ工事が進んでいたりと痛々しい姿もありましたが、駅前の広場に広がる新しく作られた商店街には活気があり、特に子どもたちの元気な声が響いていたのに救われた思いでした。わかめうどんもとても美味しかったです。ぜひ女川の町を歩いてみて欲しいです。
車窓としては平凡な路線かと思いきや、女川の手前に広がる万石浦の夕焼けが美しすぎて言葉が出ませんでした。上に写真を載せていますが、日が落ちて暗くなっているので陰影が強調されている感じで大変に美しかったです。
それでは今回はここまでとします。
今回は主にJR東日本管区の東北おすすめ路線をご紹介しました。
次回は関東地方のおすすめ路線をご紹介していければと思います。それでは次の記事で!
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