こんにちは。赫怒の化身です。
前回書いたドスパラ製PCの初期不良についての記事(↓)の続きです。
DisplayPortで正常に映像出力が出来ない不具合に関して、前回の記事では不具合満載のポンコツPCをドスパラ修理センターに送り付けた結果、「不具合は再現出来なかったのでそのまま返却しますね☆」などと非常にふざけたことを言われたという内容をご紹介しました。
前回の記事の最後で「だれか たすけて」と哀れな私の声をお届けしましたが、実はちゃんとわかっています。誰も助けてくれないので自分で何とかしかありません。
この世界は残酷なのです。生き残りたければ戦うしかありません。
ということで今回はドスパラへの反撃を開始します。
ドスパラが再現出来ずの一点張りで何の検証もせず、責任を果たそうとしないから、こちらで検証するしかありません。
改めてこちらで動作検証を行った→相性問題ではない

改めてになりますが、うちのポンコツPCはDisplayPortで映像を出力するとこんな感じになります。完全に終わっています。
この不具合に関して前回の記事でもご紹介しましたが、ドスパラは「DisplayPortケーブルやモニターの相性じゃないんスか」とかナメたことを言いました。
確かにこちらではDisplayPortケーブル1本でしかチェックを行っていないため、微粒子レベルではありますがケーブルとの相性の問題もあります。そこでわざわざ実費でDisplayPort-DisplayPortケーブル(以下D-Dケーブル)とDisplayPort-HDMIケーブル(以下D-hケーブル)の2点を購入して動作確認を行いました。結果は以下の通りです。
ポート1 | ポート2 | ポート3 | |
---|---|---|---|
DisplayPort-DisplayPort ケーブル(古) | 不具合発生 | 不具合発生 | 何も反応せず |
DisplayPort-DisplayPort ケーブル(新) | 不具合発生 | 不具合発生 | 何も反応せず |
DisplayPort-HDMI ケーブル(新) | 不具合発生 | 不具合発生 | 何も反応せず |
さらにニュートリノ質量ほどではありますが、モニターとの相性の可能性も存在するため、モニター2点で検証を行いました。ケーブルでの検証結果と合わせて、以下に示します。

細かい表ではありますが言いたいことは簡単で、
1:モニター①②ともHDMI接続は正常に動作する。
2:D-DケーブルもD-hケーブルも、DisplayPort関連はすべての結果で不良
3:ポート③はすべての結果で反応しない
これにより以下のことが分かります。
1:モニター①②ともHDMIなら正常に動作するので、モニターとの相性ではない
2:3点のDisplayPortケーブル全てで不具合が起こるのだから、ケーブルとの相性ではない
3:HDMI-HDMIケーブルでは正常なのにD-hケーブルは不良なので、問題の原因は DisplayPort の端子部分にある
つまりドスパラの言う「機器との相性で発生した不具合」という可能性は完全に否定されました。
相性ではないなら不具合の原因は何?
機器の相性問題ではないのなら、DisplayPortで映像出力できない不具合の真の原因は一体何なのでしょうか。
実は上の検証作業を行う中で、いくつかの新事実を発見しました。
1:モニター側の DisplayPort ケーブルは強く引っ張ったり揺らしたりしても異常は起こらないが、PC側の DisplayPort ケーブルはわずかに触れただけですぐに画面が暗転する。=PC 側の端子が原因
2:グラフィックボードと PC 背面との間に隙間がある
3:この隙間はポート③側に行くほど広がっている
4:グラフィックボードの出力ポートの真上に金具があるため、DisplayPort ケーブルと干渉して、ケーブルを奥まで挿入できない
5:そのため DisplayPort ケーブルの抜け防止のロック機能が働くほど奥まで挿入できず、特にポート③はグラグラ状態ですぐ抜ける
文字では分かりにくいと思うので画像でご説明します。

まず4・5の金具に干渉する問題ですが、上の画像に示す通りDisplayPortケーブルをグラフィックボードのポートに挿入すると、すぐ真上にあるPC筐体背面の金具と接触します。
左の画像では金具と接触して、DisplayPort ケーブルがわずかに下に下がっている様子が分かります。
右の画像ではもっとひどく、金具と接触するせいでケーブルがポートの奥まで挿入できず、グラグラ状態です。挿入できずに露出しているケーブルの端子部分の長さを見比べて貰うと明らかだと思います。
ではポート①②(一応映るがすぐ暗転)とポート③(何も映らない)で結果が異なるのが何故なのでしょうか。その原因は以下の画像に示します。

グラフィックボードを舐めるようにじっくり観察して初めて気が付いたのですが、このグラフィックボード(RTX4060)、曲がってます。
中央部はPC背面にぴったり接触していますが、右に行くほど湾曲して、PC背面との間に隙間が生じています。右の画像ではよく分かって貰えると思います。
肉眼でじっくり観察して分かる程度のわずかな隙間ですが、今回はこれが致命的な結果になりました。
つまり、グラフィックボードとPC背面との間に隙間が生じていることで、その分グラボのケーブル挿入ポートが少しだけ遠くなります。
普通なら遠くなっていてもケーブルは挿入できますが、ここで金具に接触する問題が合わさってきます。
金具に接触するのでケーブルはある地点より奥には挿入できない。しかしポート③はグラボが曲がっているため少し奥に位置するため、ケーブルが届かない。
この「金具と干渉する」と「ポート③側に行くほどグラフィックボードが湾曲して隙間が大きくなる」という合わせ技により、ポート①②の不良とポート③の一切反応しないという問題を矛盾なく説明することが出来ます。
つまり今回の問題の原因自体は
「 グラフィックボードの映像出力ポートに、DisplayPort ケーブルが奥まで挿入できないことによる接触不良」
だと考えられます。
ではなぜケーブルが奥まで挿入できないかというと
「ドスパラがPCを製造する時にグラフィックボードの取り付け位置を誤った」
これしか考えられません。DisplayPort ケーブルとPC背面の金具が接触して、そもそもケーブルがきちんとグラボに入っていない状態です。そりゃ映るわけない。
参考に、フロンティア製の神PCとの比較画像を示します。

上の画像で非常によく分かって頂けると思います。左のフロンティア製PCは、グラボと金具との間に十分隙間が作ってあって、ケーブルが問題なく挿入されています。
しかし右のドスパラ製PCは、金具の下ギリギリにグラボのポートがあるせいで、金具と接触してケーブルが挿入できません。
いやあ、「画面に砂嵐」「触るとすぐ暗転」という症状から、最初から接触不良系の問題だとは思っていましたが、よもやこのようなことが原因だとは思いもしませんでした。
完全に初期不良、というか、PC製造時の製造ミスです。
私は泣き寝入りはしない:ドスパラに抗議文書を送り付ける
どこかで言ったかも知れないし言ってないかも知れませんが、私は若いころは事なかれ主義で、頭のおかしい輩から何かセクシュアルだったりパワーだったりのハラスメントをされても、穏便にスルーすることが大人の対応だと思っていました。
しかし年齢を重ねるにつれてそれは大きな誤りだと気付きました。パワハラやセクハラに対して抗議や反撃をせずにスルーすることは、加害者を利する行為で、厳しく言えば犯罪者側に与する行為です。
出るところに出て徹底的に戦うのが、本当の大人の対応だと思います。だから私は泣き寝入りしません。
という信念をもってして、以上のような検証を徹夜で行い、ドスパラへの抗議文書を作成しました。

上の画像が実際にドスパラに送り付けたA4で4枚にもわたる文書です。
博士論文を執筆した時以来の熱意をもってドスパラを論破してやろうと本気を出しました。内容としては現在の不具合の理由を矛盾なく説明出来る、反論の余地もない完璧な推測だと思います。
そしてドスパラサポートから「再度PCを預かって検証させてほしい」という神妙な返事が来て、またヤマトさんに集荷して貰い、修理センターに送り付け、帰ってきたのがつい先日のことです。

ご指摘のように金具と接触してDisplayPortケーブルが挿入できないことを確認しました。グラフィックボードの位置を調整して、正しく映像が出力できることを確認しました。
悔しさの滲むお返事とともにPCが帰ってきて、こちらの環境でもポート①②③のすべてで映像が正常に出力できるようになっていることを確認しました。
つまり不具合の原因はすべて私の検証・推論の通りでした。完全勝利です。

帰ってきたPC。画像をじっくり見比べて分かる程度、0.5ミリほどグラボの位置が下げられています。たった0.5ミリとはいえ、このわずかな差が不具合発生の分かれ目になります……。なおグラボは曲がったまま
ということで今回はここまでにします。
今回はドスパラのふざけた回答に対して反撃をするためにこちらで苦労して検証作業を行い、不具合の真の原因を突き止め、ドスパラに突きつけて認めさせたという記事でした。某裁判ゲームばりの「異議あり!」でした。
やりすぎだと思うかもしれませんが、逆に言うとドスパラに不具合を認めさせるにはここまでやらんといかんという格好の事例になったと思います。
本来こんなことは全部向こうの責任で検証するべきなのです。
こっちはケーブルを実費で買った上に、貴重な時間と労力を大量に使って検証作業と抗議文書作成を行いました。
最初に修理センターで検証した時に「再現できね~な~。ヨシ!これは相性!w」とせずに、あくまで真の原因を追究するべきだったのです。
あらゆる可能性を試してもどうしても原因不明な場合は相性とするのも仕方ありませんが、ほとんど検証もせずに脳死で相性問題だとしたため、ユーザーにこのような大変な面倒と手間をかけてしまうことになったわけです。自作経験ゼロの私でもPCをよく観察すると原因に気付けたため、プロならすぐに何かがおかしいと分かるはずです。プロならプロで誇りをもって仕事をしてほしい。まあ誇りを持てないほど待遇が悪いのかもしれませんが
というかそもそもの原因はPCの製造ミスです。グラボの取り付け位置を誤るって、自作初心者でもやらないようなミスをした上で動作確認もせずに出荷しているドスパラの品質管理に問題の根幹があります。
長くなってきたので、この辺りの話は最終回となる次回の記事で触れたいと思います。
以上です。ご覧いただきありがとうございました!
コメント
MAGNATE-MTで似たような症状で悩んでおりました。
大変参考になりました。
( ゚Д゚)さん
初めまして、コメントありがとうございます。
なんと!同じようなトラブルが発生していましたか。この問題他のPCでも起こってそうですね……
ともかくお役に立てたのであれば良かったです!