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おすすめのJR路線 62選 Part.7 西日本~山陰 編【廃止前に乗りましょう】

おすすめ路線139旅行 travel & Journey
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先日からおすすめのJR路線62選と題して、日本全国にあるJR路線のうちぜひ乗りに行ってもらいたい路線をご紹介しています。前回はPart.6 西日本~山陽編をご紹介しました。(↓)

今回はPart.7 西日本~山陰地方編です。

この記事の初稿は2018年に執筆したものですが、ブログ移転に伴い2023年冬にリテイクをしています。
この記事を編集している時点ですでに廃止、廃線になっている路線があります。ありますが私は公共交通機関たる鉄道の廃線を一切認めていませんので、何事もなかったかのようにそのまま紹介します。ご乗車に行かれる際は最新の時刻表等をご確認ください。

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㊾ JR西日本 JR山陰本線 (京都-幡生)

おすすめ路線135
まさに目の前に砂浜と日本海が広がる
おすすめ路線136
石州瓦が山陰に来たことを教えてくれる

おすすめ路線137
日本海だけではなく山陰線は宍道湖も美しい
おすすめ路線138
ふらりと途中下車した三保三隅駅。恐ろしく静かで雰囲気抜群でした

おすすめ路線139
日本海に沈む夕日。タイミングと季節が合えば見られる…!
おすすめ路線140
出雲市手前の斐伊川。お気に入りのスポット

おすすめ路線141
福知山市のシンボル福知山城
おすすめ路線142
小さな入江と石州瓦屋根。大好物すぎる

路線名:JR山陰本線 (京都-幡生)
乗車日:2016年3月・2018年8月など
種別 :特急スーパーおき・アクアライナーなど
乗車記:九州一周5日目、山陰めぐりパス1日目など


JR山陰本線は京都府の京都駅から山口県の幡生駅までを結ぶ幹線です。誰も気にしていませんが、実は下関が終点駅ではありません。幡生(はたぶ)という謎の駅が終点駅になります。

山陰本線は本線とは言いますが、実態は非常に長いローカル線ということでランクインしました。
車窓からは寂れた色の無い日本海、また青く輝く日本海、はたまた日本海に沈む美しい夕日など、季節や時間ごとに思い思いの姿を楽しむことが出来ます。日本海だけではなく斐伊川宍道湖も美しい姿を見せてくれます。

沿線には福知山城、城崎温泉、鳥取砂丘、出雲大社、小京都「津和野」など盛りだくさんで、観光的にも大いに楽しめます。


これは個人的な話ですが、山陰本線は京都から始まるというのも高評価です。喧噪の中の京都駅から山陰線に乗り列車に揺られているとすっと気持ちが軽くなる、そんな気がします。以前は早朝に京都発福知山行きの直通列車が出ていたのですが、いつだったかのダイヤ改正で消滅してしまって亀岡か園部で乗り換えを強いられるのがマイナスポイント。

山陰本線は長い路線なので全線完乗は大変ですが、特急もびゅんびゅん走っているのでアクセス自体は良好。ぜひ乗ってみてください。海が見たければ出雲市以西がオススメです。

㊿ JR芸備線 (備中神代-広島)  JR西日本

おすすめ路線153
3方面の列車が落ち合うことから名づけられた「備後落合」駅
おすすめ路線154
山深い芸備線。赤ちゃんイノシシの姿も
おすすめ路線155
もちろん単線。険しい山中から小さな集落に出るとほっとする

路線名:JR芸備線 (備中神代-広島)
乗車日:2017年12月・2021年11月など
種別 :備後落合発普通列車など
乗車記:未着手



JR芸備線は岡山県の備中神代(びっちゅうこうじろ)駅と広島県の広島駅を結ぶ地方交通線です。

路線名は相変わらず読みにくく、げいび線と読みます。安中を結ぶことからつけられています。まあ、安中線よりは芸備線のほうがかっこいいかな。


芸備線は中国山地のど真ん中を東西に結ぶ路線です。山深い中国山地をクネクネしながら進むためもちろん単線の1両編成。新見と広島を結ぶという重要な役割にも拘わらずド・ローカル線です。

芸備線では特に備後落合駅が有名です。
備後落合駅は芸備線の上り、芸備線の下り、木次線と3つの方面への列車が発着します。面白いのはこの3方面への列車がほぼ同じ時間に備後落合駅に到着し、旅客の便宜を図るために接続運行されていることです。

備後で列車が落ち合うから、備後落合駅。ダジャレのようですが実際に備後落合駅に降り立ち、こんな山の中の周囲に何もないような駅にも規則正しく定められた時間に列車が集合する場面を体験すると、ちょっと感動的です。ぜひ備後落合駅の列車大集合は一度経験して貰いたいです。

芸備線はさらに山中を進みます。車窓に絶景スポットがあるわけではないのですが、周囲10 kmに人間の姿が無くイノシシと鹿しかいないような中国山地の山中から、小さな集落に出るとそれだけで妙にほっとします。単線をトコトコ進む芸備線。この先に街などあるのかと訝しくなるほどですが、いつの間にか大都会広島に到着します。大都会広島と道中の山深さの対比が面白い路線です。



51・ JR木次線 (備後落合-宍道)  JR西日本

おすすめ路線157
突如視界に現れる三井野大橋。赤色がめちゃくちゃ目立つ
おすすめ路線158
木次線の見どころ巨大ループ「奥出雲おろちループ」
おすすめ路線159
超貴重な三段式スイッチバックのある「出雲坂根駅」

路線名:JR木次線 (備後落合-宍道) 
乗車日:2017年12月
種別 :備後落合発普通列車など
乗車記:未着手


JR木次線は広島県の備後落合駅から島根県の宍道(しんじ)駅を結ぶ地方交通線です。
路線名はこれまた読みにくく、というかもはや読めず、きすき線と読みます。由来は道中の木次駅から。よく見たら起点駅の宍道も読めないし。


木次線は、上の芸備線の項目でも触れた備後落合駅から分岐する路線です。中国山地を貫通して日本海側へと向かうためにクネクネと何度も曲がり、谷川を越え、藪を突っ切り、イノシシと鹿を踏み越え、とにかく恐ろしく辺鄙な山奥を通る路線です。
あまりにもクネクネ曲がることからヤマタノオロチの形にひっかけて「奥出雲おろち号」というトロッコの観光列車が走っています。


沿線としてはド田舎の山奥なので見るべきところが無いと思いきや、実は人工物の面で注目するべきものがあります。三井野原駅を過ぎたあたりで車窓には突然巨大な赤い橋と、これまた超巨大なループ線が現れます。ループ線と言っても残念ながら鉄道用ではなくて、これは自動車用。国道314号の奥出雲おろちループという巨大なループ線です。赤い橋は三井野大橋と言います。

正直イノシシしか居ないような山奥にこんな巨大な構造物を造る必要があったのかと首をかしげたくなりますが、とにかく大変立派な建築物です。


また、木次線の構造にも特徴があります。海に近い宍道から山奥の備後落合駅まで繋ぐため、木次線はたいへん高低差のある路線です。急勾配の連続で、普通に列車が運行できる限界を超えています。そのためスイッチバックが設けられています。

単に進行方向を変えるだけのなんちゃってスイッチバックではなく、きちんと高度を稼ぐためのジグザグスイッチバックです。それも出雲坂根駅では三段式スイッチバックという、大変珍しい仕組みが導入されています。

3段式で、しかも駅の中にスイッチバックがあるというのは全国に他にあるのかな?非常に珍しいです。辺鄙な場所にあるので乗りに行くのは大変ですが、ぜひ乗車して欲しいローカル線です。運転士さんが車両先頭から後方に移動する様子も見られて面白いですよ。

52・ JR三江線 (江津-三次)  JR西日本

おすすめ路線164
ほぼ全線で江の川に沿って走る
おすすめ路線165
さよなら三江線 長い間ありがとう という文字が寂しい

路線名:JR三江線 (江津-三次) 
乗車日:2017年12月
種別 :江津発三次行き普通列車
乗車記:未着手



JR三江線は島根県の江津駅から広島県の三次駅を結ぶ地方交通線です…‥でした。

最早全部読めないです。津(ごうつ)駅から次(みよし)を結ぶから(さんこう)線です。


多くの方は、江津?三次?どこ?となるでしょう。
陰陽連絡路線の一つなのですが、江津も三次も大都市というわけではなく。当然のように利用者も少なく、開通した時点ですでに赤字を垂れ流す超ド級のローカル線と化してしまいました。
最高速度も遅く、線形も江の川に沿って大きく迂回しているために都市間を最短距離で結ぶという目的も達成できず、近年では自動車利用が広まったこともあって非常に閑散とした路線になっています。

それでも何度も災害で不通になりながらも復旧されてきたのですが、とうとう2018年の3月に廃線となってしまいました。全長は108 kmもある長い路線であり、本州でこのような長い路線が廃止になったのは久しぶりということで話題になりました。

私の乗車史としては、すでに廃線が決定した2017年の12月に乗車してきました。正直三江線の印象はとても薄く、場所的にも乗りにくい路線なのでここまで残ってしまいましたが、廃止されるという事で急いで乗りに行った次第になります。廃止が決まってからいそいそと乗りに行くのは決して褒められた行為ではありませんが、乗らないよりはいいかなと。お許しください。


路線としては山深い中国山地を走るのですが、ほぼ全線で江の川に沿って走るので雄大な川の流れを楽しむことが出来ます。江の川が作った谷に沿って走るので断崖絶壁や人跡稀な未踏の山奥を走るというわけではなく、比較的人の気配があります。

すでに廃止が決定した後の乗車でしたので、駅には「さよなら三江線 長い間ありがとう」といった三江線への感謝を伝える横断幕や張り紙などが随所で見受けられました。物悲しく寂しい思いにはなりますが、これも時代の流れという事で、受け入れるしかないというのが悲しい現実になります。滅びゆく衰退国家に生まれた悲しみというやつです。

53・ JR仙崎線 (長門市-仙崎)  JR西日本

おすすめ路線166
JR仙崎線 終着駅「仙崎」
おすすめ路線167
日常の足として列車を利用してくれるお客さんがいると嬉しくなる
おすすめ路線168
仙崎駅の近くの道の駅で食べた海鮮丼。漁港直送!というか横が漁港!


路線名:JR仙崎線 (長門市-仙崎) 
乗車日:2021年11月
種別 :長門市発仙崎行き普通列車など
乗車記:未着手



JR仙崎線(仙崎支線)は山口県の長門市駅から同じく山口県の仙崎駅を結ぶ謎の路線です。地方交通線……なのか?山陰本線の支線扱いだからもしかしたら幹線かも知れません。


どの辺が謎かと言うと、仙崎線は起点の長門市駅と終点の仙崎駅の2つの駅しか存在しません。羽衣線や和田岬線で見たアレです。営業キロはたった2.2 km。
しかもアーバンネットワーク内に存在する羽衣線や和田岬線と違って、仙崎線は山口県の長門市というド辺鄙な田舎に存在するため非常に乗るのに苦労する路線です。


私の乗車史としては、2021年の11月にJR西日本どこでもきっぷという神のきっぷを使って仙崎線に乗車してきました。このきっぷは新型コロナウイルス感染症の拡大で錯乱したJR西日本が発売した切符で、JR西日本全線(特急・新幹線含む)に3日間乗り放題で22,000円という神のきっぷです。同じく神のきっぷだったJR西日本30周年記念きっぷが同じ条件で1日10,000円だったので、どこでもきっぷは恐ろしくお得なきっぷでした。また発売されないかな…。

さて美祢線に乗って長門市駅に降り立った私は、仙崎線に乗ると思いきや、駅を出ておもむろに歩き始めます。そのまま仙崎駅まで徒歩で移動しました。乗り換えダイヤの関係で往路は徒歩で仙崎まで行き、復路は仙崎線に乗って帰ってくるという、2.2 kmの短い路線だからこそできる破天荒な戦法で仙崎線を攻略しました。
(ちなみに美祢線はこの後被災して2024年6月現在すでに1年もの間運休中です。相変わらず私が旅行に行った場所で災害が起こるな…)


歩いて辿り着いた仙崎駅はと言うと歴史ある木造建築でなかなかナイスに見えるのですが、実際はただの鉄筋コンクリート製です。木造っぽく装飾されてるだけでした。


その後、仙崎駅のすぐ近くにある道の駅「センザキッチン」に行き、漁港直送の新鮮な海鮮丼を賞味するなどという贅沢を行ってしまいました。懺悔します。アーメン。漁港直送というかすぐ横が漁港なので、とにかく最高でした。
(言うまでもないと思いますが、仙崎とキッチンがかけられています。誰だこんな安直なネーミングをしたのは)

あとですね。仙崎線に乗って嬉しかったのが、日常生活の移動の足として仙崎線を利用している地元のおばあさんがいらっしゃったことです。

「鉄道は移動手段だから当たり前でしょ」とおっしゃるかも知れませんが、日本全国のローカル線に乗ってきた私の体験談として、客が誰も居らずに1両貸し切り状態だったり、地元の人がおらず乗っているのは鉄道ファンばかりという状況を結構見てきたので、私のように不純な目的ではなく、純粋に鉄道を利用しているお客さんがいると嬉しくなります。
私などはただJR全線完乗で乗りに来ているだけであって、本来のお客ではありませんからね。まあ鉄道会社と航空会社と地方にお金を落としているからセーフです。




それでは今回はここまでとします。

今回は主にJR西日本管区の西日本~山陰おすすめ路線をご紹介しました。
次回は四国地方のおすすめ路線をご紹介していければと思います。それでは次の記事で!

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