こんにちは、ハルです。
先日からCore i5-14400FとRTX4060を搭載したゲーミングPCの性能評価の記事を書いております。
今回は性能評価の記事その3として、CPU(プロセッサ)のベンチマーク試験の結果をご紹介していきます。やはり、PCの各種パーツがちゃんと動作しているかの性能試験の意味合いもあります。
今回の記事では専用のソフトウェアを用いてベンチマークの測定などを行っていきます。
そうです。今、絶賛大問題中のインテル製CPU、Core i5-14400Fについてです。
前回の記事(↓)
新ゲーミングPCに関する一連の記事
ドスパラで神コスパ神ゲーミングPCが発売中です Magnate MV その1 紹介編
その2 購入編
その3 構成編
性能評価その1 基本的な比較
その2 起動時間・HDD・SSD編
その3 CPUベンチマーク測定テストの結果 ←いまここ
その4 GPUベンチマーク測定テストの結果
前置き:購入したPCと比較するゲーミングPC・よわよわPC
これまで私はCore i5-9400F×GeForce GTX 1660 SUPERの組み合わせのゲーミングPCを使用していました。
このPCを購入してから4年が経ち、そろそろ故障が怖くなり後継機が必要になったため、今回PCを新調したことになります。
スペックとしてはCPUがCore i5-14400F、GPUがGeForce RTX 4060 8GBです。
前回の繰り返しにはなりますが、今回購入したPCはドスパラ(サードウェーブ)製のMagnate MVです。
比較する新ゲーミングPC、ゲーミングPC、ノートPCの構成概略を示したのが上の図です。全項目で今回購入したPCが圧倒しています。お値段的には+1.4万円(フロンティアは送料3,300円かかる)ですが、性能UP分と無間円安地獄の価格高騰分を考えるとコスパ的には新ゲーミングPCに分があるでしょう。
さて記事の本題に入ります。
CPU(プロセッサー) ベンチマーク試験
Cinebench 2024 ベンチマーク(マルチ) 結果
ここからは専用のベンチマーク用ソフトウェア等を使ってCPU・GPUの性能を見ていきます。
まずはよく使われるCinebenchシリーズからCinebench 2024です。
3DレンダリングによるCPUのベンチマーク試験を行えます。私はずっとカインベンチないしサインベンチと読むと認識していたのですが、どうやら本当にシネベンチと読むらしいです。SHINE☆
名前の通りCinebenchの2024年版、最新版です。Cinebenchは他にもR20・R23などバージョンがあります。
都度、最新の技術を取り入れてより正確なベンチマーク試験を行えるようにバージョンアップしているのだろうとは思いますが、ユーザーからするとベンチマークのバージョンをコロコロ変えられると困ります。
つまり私が確認したいのは、以前のゲーミングPCと比べてどれほど性能が向上したか?という点です。
それなのにソフトが変わるという事は基準が変わるということであり、過去のデータと比較することが出来なくなり昔の数字が全く役に立たなくなります。これが困る。
まあ文句を言っていても仕方ありませんので、比較のために旧ゲーミングPCちゃんにも最新のCinebench2024をダウンロードしてベンチマークを回してみることにします。
・・・・
………と思ったのですが、旧PCでは何度スタートボタンを押してもRendering Failedと表示されて画面は真っ暗のまま動かず。なんですかこれは。時代遅れのi5-9400Fと1660 SUPERではもはやベンチマークソフトすら動かせないと?ひどいよ……。
そんな非道なCinebench2024の特徴としては、
・10分間レンダリングを行い続けるようになった
・GPUのベンチマーク試験も行えるようになった
という2点が大きな変更点かと思います。
以前使っていたCinebench R20(のちほど出てきます)は1回こっきりのレンダリングでした。短時間だけなのでCPUが超絶ブーストをかけて処理を早く終わらせようとする傾向があったため、長時間の負荷をかけることで、より正確な数値を出せるらしいです。
当時はほーんとしか思っていませんでしたが、i5-14400Fがクラッシュ不具合の対象に追加された今思うとCPUに余計な負荷をかけるのは出来れば避けたいところでした。電力をかければかけるほど劣化が進みます。しかもベンチマークはCPUにほぼ全力運転を強いる最悪の行動。
ムダなことでi5-14400Fちゃんに負担をかけてしまった…ごめんよ
GPUレンダリング機能については別途、GPUのベンチマーク試験の項目でまたご紹介します。
早速ベンチマークを回して行きましょう。
前述したように旧ゲーミングPCでは2024版を動かすことすら出来なかったので、新ゲーミングPCのみで試験を行います。
右側にお馴染みの枠が表示されて画像が生成されていきますが、なぜか2枠しか表示されていません。
以前のR20版ならスレッド数の数だけ枠が表示されて、6スレッドなら6枠が表示されたのですが今回は2枠だけ。どうしてなの。
そんなベンチマーク試験を妨害するnorton先生。
CinebenchはCPUの使用率が高いという警告をトリガしました!
CPUのベンチマークをやってるんだから当たり前でしょ邪魔しないでください。
10分待ち、結果が出ました。
Intel Core i5-14400FのCPU(マルチコア)スコアは847 ptということになりました。
結果はランキング形式で他のCPUと比較することが出来ます。
…出来ますが、比較対象にロクなCPUが表示されていません。なぜかAppleのM1シリーズが3つもラインナップされています。Appleとか正直お話にならないですし、32コア64スレッドの謎CPU、Ryzen Threadripperがここにランクインしているのも良く分かりません。もっと実用的かつ実戦的なCPUをランキングに入れてください…。
仕方ないので一部抜粋すると
Apple M1 Ultra(20コア):1,625 pt
Intel Core i5-14400F(10コア16スレッド):847 pt
AMD Ryzen7 5800X(8コア16スレッド):824 pt
Apple M1 MAX(10コア):791 pt
Intel Core i9-9880H(8コア16スレッド):534 pt
Apple M1 (8コア):509 pt
ということになりました。
i9に勝ってる!14400Fは強い!とか言いたいところですが、よく見るとこのi9は第9世代ですし、そもそもH付きなのでノートPC用のCPUです。
デスクトップPC向けとノートPC向けのCPUは同じシリーズでも全く別物なので混在するのもおかしな話ですし、全然参考にならないランキングです。
もっと実用的な、例えば上位モデルのCore i5-14500やCore i7-14700との比較であったり、前世代のCore i9-11900Kとの勝負があったら面白かったと思います。ちなみにCore i5-14400Fはi9-11900Kにカタログスペック上では勝ってます。
まあしいて言えば、8コア16スレッドのRyzen7 5800Xよりも少し高いスコアになっている点は評価できると思います。
Ryzen7 5800Xの廉価版、Ryzen7 5700Xは、2024年夏現在でも各BTOメーカー製PCによく搭載されているCPUです。Core i5-14400のライバル的立ち位置なので、その上位版の5800Xを上回ることが出来たのはグッド。
Cinebench 2024 ベンチマーク(シングル) 結果
さきほどはマルチコア性能でしたが次はシングルコア性能です。
Intel Core i5-14400FのCPU(シングルコア)スコアは106 ptということになりました。
同様に一部抜粋すると
Apple M1 Ultra:113 pt
Apple M1 MAX:113 pt
Apple M1:112 pt
Intel Core i5-14400F:106 pt
AMD Ryzen7 5800X:96 pt
Intel Core i9-9880H:70 pt
ということになりました。
AppleのM1チップたちには敵わなかったですが、マルチコアの結果と同じくRyzen7 5800XとCore i9-9880Hには勝利。
特にCore i9-9880Hはi9とは思えないほど下に沈んでいます。使える電力量に圧倒的な不利を抱えているモバイル端末用なので仕方ないです。
一般に、シングルコアの性能はネットブラウジングや普通のソフトウェア性能、ゲーミング性能に影響します。
マルチコア性能は3Dレンダリングやエンコード性能に影響します。
今回のCinebench2024の結果で、Core i5-14400Fがシングル・マルチの両方とも十分に高い性能を持っていることが分かりました。
合計30分間もCPUに全力運転させて大丈夫かニャ?
この時はまだi5-14400Fが不具合の対象に入ってると知らなかったのよ…壊れたらどうしよう
Cinebench 2024 コア分離(VBS)なし ベンチマーク結果
少し本筋とは外れますが、皆様はコア分離というWindows11の機能をご存知でしょうか。
VBS(Virtual Base Security)とも呼ばれるセキュリティの機能です。Windowsの中枢をOSから切り離して仮想マシン化することで、マルウェアやウイルス等の攻撃でOSが乗っ取られることを防ぐ、みたいな機能のようです。
Windowsセキュリティの画面ではコア分離と呼ばれます。基本的には常時オンに設定されています。
素晴らしい機能のように思いますがVBSの何が問題かと言うと、VBSをオンにするとゲームのパフォーマンスに影響を与えるらしいのです。
確かに、考えてみればゲームの性能追求とセキュリティの問題はいたちごっこの面があります。
特にオンラインゲームなどでチート対策のプログラムを走らせる時にOS側のセキュリティと衝突することも多く、セキュリティを高めるとその分ゲーミング性能に影響が出ることは十分に考えられます。一説によるとコア分離オンで、10 %程度性能が悪化するとか何とか……?
ということでVBSの有無でベンチマーク結果がどの程度変わるか、検証してみたいと思います。余裕があれば今度ゲーミング性能も検証します。
結果がこちら。
コア分離(VBS)なしの場合、Intel Core i5-14400FのCPU(マルチコア)スコアは849 pt、シングルコアのスコアは106 pt、ということになりました。
まとめると
VBSあり | VBSなし | |
マルチ | 847 pt | 849 pt |
シングル | 106 pt | 106 pt |
うん、変わらないですね。マルチコアはわずか0.2 %向上、シングルコアは全く変化なしという結果になりました。
実際のゲームではもう少し結果が変わってくるのかもしれませんが、少なくともVBSの有無はベンチマークにはほとんど影響しないという事が分かりました。
合計50分間もCPUに全力運転させて大丈夫かニャ?
あばばばばばばばば
Cinebench R20 ベンチマーク結果
お次はCinebench R20 。3Dレンダリングを行う定番のベンチマークソフトで、CPUの性能を測定するために用いられます。
上で紹介したCinebench2024が最新版なのですが、これまで過去のPCたちでベンチマーク試験を行ってきたR20版の結果と比較したいので、R20でのベンチマークも行いたいと思います。
ところがMAXONの公式サイトではもうR20版は公開しておらず、ダウンロードすることが出来ないんですよね。仕方ないので旧ゲーミングPCのソフトウェア倉庫フォルダに眠っていたR20を引っ張ってきました。古いバージョンだけどたぶん大丈夫なはず。
R20版はスレッド数の数だけ枠が表示されてレンダリング処理が進んでいるのを確認できます。
10コア16スレッドの14400Fちゃんなので、16個も枠が表示されてものすごい勢いで画像が描写されていきます。2コア4スレッドのよわよわPCとは雲泥の差です。
結果を一気にご紹介します。細くてすみません。クリックで拡大できます。
マルチコアの結果としては
新ゲーミングPC (Core i5-14400F) | 5,982 pt |
旧ゲーミングPC (Core i5-9400F) | 2,335 pt |
よわよわPC(Core i7-5500U) | 593 pt(笑) |
新ゲーミングPCのi5-14400Fは旧ゲーミングPCのi5-9400Fの2.56倍性能が高い、ということが数値から分かりました。
よわよわPCのi7-5500Uからはなんと10倍です。
6コア6スレッドから10コア16スレッドへの進化なので妥当といえば妥当なのかもしれませんが、予想以上の進化に驚きました。9400Fでも何の不便も無いのに超絶性能アップしてしまった14400F、つよい、つよすぎる!
Cinebench R20 コア分離(VBS)なし ベンチマーク結果
同様に、Cinebench R20でもVBSの有無による違いを検証します。
コア分離(VBS)なしの場合、Intel Core i5-14400FのCinebench R20マルチコアスコアは6,047 ptということになりました。
| VBSあり | VBSなし |
マルチ | 5,982 pt | 6,047 pt |
VBSありの場合は5,982 ptなので少しだけ性能が向上しています。割合にして1%の性能UPです。うん、誤差の範疇ですね。
重要なセキュリティをオフにしてまですることでも無さそうです。
余談:自分のIntel製CPUが不具合を起こしているのか確認する方法
以下は余談なのですが、さて自分の手元にあるIntel製CPUが例のクラッシュ不具合・不安定化を起こしているのかをチェックして確認する方法が紹介されています。
これはIntelが公式に認めている方法だそうです。
方法その① :NVIDIAのグラフィックドライバをインストールしたのち、アンインストールする。(!?) これを10回繰り返す
方法その②:CINEBENCH R23や2024でベンチマークを10分ぶん回す
一見、謎ですよね。これ何をやっているかと言うと
「CPUに高い負荷をかけてエラーやブルースクリーンが出たら壊れてる。出なかったら壊れてないよ☆」という判別方法です。
え…なにその火あぶりして死ななかったら魔女で、死んだら人間みたいなトンデモ理論は。
中世ヨーロッパの魔女狩りかな?
本末転倒というかなんというか。この方法を試す時は必ずBIOSアップデート後にしてください。そうしないと壊れる危険性があります。そしてBIOSアップデートもしてないのにニヤニヤしながらCINEBENCHを1時間近く回していた私は死亡確定と……。
(´;ω;`)
ということで今回はここまでとします。
今回はゲーミングPCちゃんを愛でつつ、主にCPUに関するベンチマーク測定を行いました。
一連の試験でCore i5-14400Fがカタログスペック通りの性能を発揮していることが確認でき、初期不良等もないことが確認出来ましたが、逆に今回のベンチマークでCPUにもしかしたら大きな負荷を与えてしまったのかも知れません。どうしてこうなった……。
ハア…ハァ…もうだめかもしれん(焼損)
新ゲーミングPCに関する一連の記事
ドスパラで神コスパ神ゲーミングPCが発売中です Magnate MV その1 紹介編
その2 購入編
その3 構成編
性能評価その1 基本的な比較
その2 起動時間・HDD・SSD編
その3 CPUベンチマーク測定テストの結果 ←いまここ
その4 GPUベンチマーク測定テストの結果
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