こんにちは、ハルです。
今回は資産運用についての話です。
今回は皆さんおなじみ、個人で買える高金利社「ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債」(以下「ソフトバンク債」)が新規発行される件についてです。
2025年4月18日に第65回ソフトバンク債の利率が決定されました。利率3.34%とのこと。
そこで今回は、果たしてこの利率はお得なのか、「買い」なのかという点を考察していきます。
前回の記事の続きです。(↓)
第65回ソフトバンク債の利率が決定
タイトルの通りですが先日2025年4月18日(金)、第65回ソフトバンク債の利率が決定されました。
利率は3.34%ということになりました。(なんでや!)

もともと3.00%~3.60%の間で決定されるとのことでしたが、ちょうど真ん中あたりの利率になりました。(需要申告もないのにどうやって利率を決定してるんだろう……)
そこで今回の記事では、この3.34%という利率が果たしてお得なのか、今回のソフトバンク債は買いなのかという点を、過去の国債金利やソフトバンク債の利率比較を行いながら検証したいと思います。数字を出してなるべく裏付けのある検証をしてみたいというお話です。
前回書いたSBI債と国債の比較記事と同じです。ほぼコピペ
第65回ソフトバンク債 3.34%はお得なのか?「買い」なのかを検証
それではお得さ検証を行っていきます。
まずは前置きとして、本邦の過去の国債金利をご紹介します。
(国債についての前置きは前回の記事と同一なので、前回の記事を読んでくださった方は読み飛ばしてください)
日本の過去の国債金利をご紹介

上のグラフは日本国の国債金利一覧です。ソースは国民の敵、財務省のHPから。
縦軸が金利、横軸が日時。青が1年物、赤が2年物、黄色が3年物です。
期間は昭和49年(1974年)9月24日から令和7年(2025年)2月28日まで。
さてこうして俯瞰してみると、過去には国債の金利が10%を優に超える時代があったのだとやや感慨深いものです。
昭和56年ごろには脅威の金利12%。バブルのころで9%弱くらいでしょうか。どこの南アフリカランドかな?
この頃ゆうちょ銀行などで非常にお得な定期預金があったことを覚えておられる方もおられるでしょう。あれゆうちょはどうやって利払いしたんでしょうね。担当者はさぞ涙目だったでしょう。

さすがに期間が長すぎて分かりにくいので、最近の期間を表示してみます。
期間を平成17年(2005年)~令和7年(2025年)に変更してみました。
ちょうどリーマンショックの前から、現在に至るまでの金利の変化の様子です。
2008年ごろに三尊を付けた金利はリーマンショックで下落。
その後トチ狂った財務省と日銀によりマイナス金利とYCC(イールドカーブコントロール)というふざけた政策が実行され、金利はマイナス圏内に沈みました。
そして長年の金融緩和の副作用として物価高・円安・スタグフレーションが止まらなくなった結果、不景気なのに慌てて金利を上げ始めたというのが現在の金利相場の状況であります。さて今後日本はどうなってしまうのか、それは誰にもわかりません……。
こうして金利を見てみると、すでに水準としてはリーマンショック前の水準に戻っていることが分かります。かなり急速な上げ方のようにも感じます。
過去のソフトバンク債の利回りと国債金利を比較
前置きが長くなりました。ここからが本題です。
次に、今回のポイントであるソフトバンク債の過去の金利と、国債金利を比較してみます。これによってお得さ検証を行いましょう。

上のグラフは第28回ソフトバンク債(2009年)~第65回(2025年・今回)ソフトバンク債の金利と、国債6年物の利率を示しています。
縦軸が金利、横軸がソフトバンク債の発行回数。青がソフトバンク債金利、赤が国債金利を示しています。
上のグラフを見て読み取れるのは、やはりソフトバンク債と国債金利は全体的には似たような動きをしていて、リーマンショックで急降下。マイナス金利解除+利上げに伴いソフトバンク債の利率も上昇、といった形がよく分かってもらえると思います。
ただし、前回ご紹介したSBI債の金利の動きと比べて、ソフトバンク債は上下動が激しいように思います。
これはソフトバンク債自体の金利の動きもあるのですが、上のグラフにはソフトバンク債の3年物・4年物・5年物・6年物・7年物がすべて含まれています。そのためややジグザグになってしまっております。
本来グラフを分けるべきなのですが大変煩雑になるため、今回は1つのグラフにまとめさせて頂きました。そのため比較する国債も6年物の数字を拾ってきています。
また、第28回以前のソフトバンク債も調べてみたのですが、昔すぎて情報が見つからないのと、ソフトバンクは他にもいろいろな種類の社債を乱発発行していて何が何やら分からなくなったので、とりあえず数値が確定している第28回以降のもののみをご紹介する形にしました。何卒ご理解を頂けると幸いです。

さらに上のグラフに、黄色のグラフを追加しました。
黄色のグラフは青のソフトバンク債金利と赤の国債金利の差を取ったもので、誤解を恐れずに言うならば「お得さ指数」です。
黄色のグラフの数値が大きいほど両者の金利差が大きいことになり「国債を買うよりもソフトバンク債を買うほうがお得」となります。
逆に黄色のグラフの数値が小さいほど両者の金利差が少ないということになり「これなら国債買ったらいいやん」という事を意味します。
さて改めて黄色のグラフに注目すると、SBI債ではほぼ一定だった黄色の数値が、ソフトバンク債ではかなりジグザグになっております。特に第38回(2012/1/27発行)に至ってはソフトバンク債が0.42%、国債が0.439%と、国債のほうが高いやん状態。これでは誰も買ってくれないでしょう……。
その後は反省したのか、はたまたソフトバンクの危険度が上がったのか、両者の金利差は上昇。近年は大体2%を挟むあたりで安定しています。

最近のもののみを抽出しました。第60回で急降下していますが第60回は3年物なのが原因です。
最近はマイナス金利も解除されて国債金利が急上昇していますが、ソフトバンク債の金利も同じように上昇。両者の金利差は大体2.45%くらいで安定しています。
結論:今回のソフトバンク債はお得さ的には良い感じ
そろそろ記事が長すぎると怒られそうなので結論に入ります。
改めて今回の第65回ソフトバンク債券の金利を確認すると、
金利 | ソフトバンク債券との金利差 | |
---|---|---|
第65回ソフトバンク債券 | 3.34% | – |
国債3年物 | 0.697% | 2.643% |
国債5年物 | 0.867% | 2.473% |
国債7年物 | 0.954% | 2.386% |
(参考)新生銀行5年定期 | 1.20% | 2.14% |
となります。

紫の線は新生銀行の5年物定期預金の金利1.20%を示しています。緑の丸が今回の第65回ソフトバンク債のお得さ指数。
以上より次のことが分かります。
よって私の結論としては
結論:今回のソフトバンク債はそれなりにいい感じ
となります。
前回考察したSBI債の場合は債券なのに銀行の定期預金とそう変わらない利率で正直微妙……と評価しましたが、今回はさすがに3%を超えているだけあって定期預金とは比べ物にならない高金利にまとまっています。
3%という利率はその辺の株式の配当利回りを超えている数字なので、債券投資の妙味があると言えるでしょう。
ただし前回の記事でご紹介した通り、債券には元本保証が何もないという点と、ソフトバンクという会社の危うさについて皆様がどう判断するか、という事になります。
とは言ってもソフトバンクがこの先5年でデフォルトするとはあまり考えにくいので、今回のソフトバンク債はなかなか悪くないと言えると思います。
ネックとしては最低申し込み単位が100万円という点と、期間が5年とやや長めなことでしょうか。
5年間100万円が拘束される……となると庶民的には少し二の足を踏むかもしれません。
ちなみに100万円でソフトバンク債を買った場合の利払い金
ちなみに100万円で今回のソフトバンク債を買った場合の利払い金(税引き前)ですが
利払い回数 | 利払い金 | 合計金額 |
---|---|---|
1年目 | 33,400円 | 33,400円 |
2年目 | 33,400円 | 66,800円 |
3年目 | 33,400円 | 100,200円 |
4年目 | 33,400円 | 133,600円 |
5年目(償還) | 33,400円 | 167,000円 |
ということで、5年目の償還まで待てば100万円がそのまま返ってきて、合計利払い金が16万7000円もらえます。(税引き前)

わ、悪くない……(ゴクリ)
ということで今回はここまでにします。
今回は第65回ソフトバンク債の利率3.34%に対して、この利率はお得なのかどうなのかという点をなるべく数字の裏付けのある内容をご紹介しました。
結論としては「ホホウ なかなか悪くない」となりました。
私は(やはりちょっと相場環境が怖いので)今回は見送ろうと思っておりますが、購入を検討されている方は資金の用意をお忘れなく。4/21(月)10:00より先着順で販売されるので、当日は精神統一してクリック連打しましょう。
なお繰り返しにはなりますがこれは勧誘その他ではありませんので、その点ご理解の程よろしくお願いいたします。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!

なんでや!阪神関係ないやろ!
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