こんにちは、ハルです。
今回は資産運用についての話です。
今回は皆さんおなじみ、個人で買える高金利社債「SBIホールディングス社債」が新規発行される件についてです。
前回書いたSBI債の記事(↓)が意外と好評で多くアクセスされていたので、SBIホールディングス社債の記事も書こうかなと思い立った次第であります。
債券投資についての基本的な説明などは上の記事をご覧ください。
今回の記事では特にSBI債・ソフトバンク債との比較という観点からご紹介していきたいと思います。
第43回SBIホールディングス社債が販売決定

タイトルの通りですが、2025年6月4日(水) 10:00より第43回SBIホールディングス社債が発売されることが決定されました。
利率は1.350%~2.350%。
利率決定は発売前営業日の6/3(火)だそうです。詳しい概要は以下の通り。

今回、期間は4年となりました。最低申し込み額は10万円。
発行日は2025年6月17日。償還日は2029年6月15日。発行額は1,700億円ということです。1,700億という金額は過去と比べて大きめ。
さて注目ポイントとしてはやはり利率でしょうか。
今回の予定利率は利率1.35%~2.35%ということになりました。

は、幅がありすぎる……
下限利率の1.35%なら定期預金に毛が生えた程度の利率で、正直全然魅力を感じません。
一方で上限利率の2.35%ならさすがにソフトバンク債には劣りますが、過去のSBI債やSBIホールディングス債と比べても格段に高い利率となり、魅力的な利率となります。
早く金利を決めてほしいところですが決まるのは発売前日という罠。そしてこれ毎回言ってるけど需要申告も無いのにどうやって利率を決めているのか……。
SBIホールディングス社債とSBI債との違いとは?
今回はSBIホールディングス社債に関しての記事なのですが、似たような、というかほぼ同じような言葉としてSBI債というものがあります。
どちらも個人が買える高金利社債として人気が高く、SBI債は私自身も購入して運用中です。
この2つ、区別していない方もいらっしゃると思いますが、実は別物です。
この両者に何か違いがあるのか無いのかという事で簡単に調べてみたのですが、結論としては「ほぼ同じ」なのではないかなと……。
第43回SBI ホールディングス社債 | 第47回SBI債 | |
---|---|---|
商品名 | 第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 円建て社債(第47回SBI債) |
発行体 | SBIホールディングス株式会社 | SBIホールディングス株式会社 |
申し込み単位 | 10万円以上、10万円単位 | 10万円以上、10万円単位 |
期間 | 3~5年 | 2年が多い |
発行体も同じですし、どちらも個人が10万円から申し込める社債ということで、ほぼ同じものでは無いのかなと思います。
期間がSBIホールディングスの場合は3~5年なのに対し、SBI債だと2年が多いのが一番の違いでしょうか。
ほぼ同じもののように見えますが、SBI内部では一応別物扱いで、第〇〇回~のカウントはそれぞれ別で行われています。
もしかすると目論見書をよく読むとSBI破綻時の弁済順位などが違っているのかもしれませんが、まあ気にするほどのことでもないかなと……。
参考に過去のSBIホールディングス債の利率をご紹介
何かの参考として、過去のSBIホールディングス債の利率をご紹介します。
発行回数 | 期間 | 利率 |
---|---|---|
第37回(2024年3月) | 3年 | 1.00% |
第38回(2024年3月) | 5年 | 1.30% |
第39回(2024年10月) | 4年 | 1.25% |
第40回(2024年10月) | 4年 | 1.35% |
第41回(2025年1月) | 3年 | 1.35% |
第42回(2025年1月) | 5年 | 1.79% |
第43回(今回) | 4年 | 1.35%~2.35% |
SBIホールディングス社債は、3年物と5年物がセットで発売されることが多いです。単発の場合は4年物になるみたい。3年物と5年物の金利差は大体0.2~0.3%になることが多いようです。
さて利率の推移としては順当な感じにも見えますが、やはり今回の下限金利1.35%の低さが目につきます。
前回の第42回が5年物で1.79%。
今回は4年とは言え、最近は長期金利の上昇スピードが早く、特にこの記事を書いている2025/5/22現在、長期金利がめちゃくちゃ上がっています。

この上がり方を見ていると、今回のSBIホールディングス債は4年物とは言え、2%に近い水準の利率を付けてほしいと感じざるを得ません。1.35%とか定期預金や国債とそんなに変わりませんし……。
SBIホールディングス債とSBI債・ソフトバンク債を比較
今回の記事では、このSBIホールディングス債と、おなじみSBI債と、さらにソフトバンク債との比較というのを一つのポイントとして取り扱いと思います。
ちなみに意外とご存じない方もいらっしゃるかも知れませんが、SBIホールディングスはもともとソフトバンクグループの一員でした。そもそもSBIという社名もSoftBank Investmentの略です。
それが分離独立して別会社となりましたが、いまだに関係は持ち続けています。
では早速比較を行っていきたいと思います。
第43回SBI ホールディングス社債 | 第47回 SBI債 | 第65回 ソフトバンク債 | |
---|---|---|---|
利率 | 1.35%~2.35% | 1.72% | 3.34% |
期間 | 4年 | 2.5年 | 5年 |
申込単位 | 10万円から | 10万円から | 100万円から |
発行額 | 1,700億円 | 400億円 | 6,000億円 |
格付け | A-(R&I) | A-(R&I) | A(JCR) |
両者の比較をざっと見ていくと、まず利率は圧倒的にソフトバンク債のほうが高いです。
SBI債の利率の2倍程度の高金利。SBI債も3%とは言わないまでもせめて2%の利率を付けてほしかったというのが正直なところです。
今回のSBIホールディングス債がもし1.35%などという事になれば、ソフトバンク債のたった40%の水準という事になり、全く太刀打ちできません。2%でそこそこという感じ。
期間は4年。ソフトバンク債の5年よりはマシですが、SBI債は2年(前回は2.5年)なのでやや長く感じるでしょうか。
今後も金利が上がることが予想されているのに、リスクのある社債で4年間にわたって1.35%とかお話になりませんて……。
大きな違いは申込単位で、SBIホールディングス債・SBI債が10万円から申し込めるのに対し、ソフトバンク債は100万円が最低単位です。やや心理的な抵抗は大きいでしょうか。
100万円をぽんっと出せる方は、実はそれほど多くなさそうな気もします。その点今回のSBIホールディングス社債は買いやすい。
発行体の信用格付けは、ソフトバンクが日本格付研究所でシングルAとなっています。シングルAはSBIホールディングスの格付けシングルA-よりも高いです。
第59回ソフトバンク債の時(2024年3月)のソフトバンクの格付けがA-だったので、1段階上昇した格好です。
しかしソフトバンク債の記事でも触れましたが、信用格付けなどというものには何の意味もありません。
さてどうする?今回のSBIホールディングス債は買いか?
以上は前置き、ここからが本題です。さて、今回のSBIホールディングス債、買うか?というお話。
「まだ金利が出ていない状況なので判断のしようがない」というのが正直な感想になると思いますが、何度も言う通り

うわっ…私の利率、低すぎ…?
1.35%は低すぎると言わざるを得ません。
本日の国債金利(10年物)が1.572%、SBI新生銀行の5年定期が1.20%と比べると、破綻の可能性のある社債でこの低さはナメてるのかと言いたくなる低さです。
1.35%は論外としても、では何%あれば満足なのか。
このあたりの判断の参考になるように、過去のSBIホールディングス社債の金利や国債金利などとの比較を行った記事を続きで書く予定です。そちらも併せてご覧いただければと思います。
ということで今回はここまでにします。
今回は来月発売されるSBIホールディングス社債に関する記事でした。
まずはSBIホールディングス社債・SBI債・ソフトバンク社債の3つの簡単な比較と基礎的な情報をご紹介しました。
次の記事ではSBIホールディングス社債の過去の金利や国債金利との比較などを行ってみたいと思います。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!
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