こんにちは、ハルです。
今回は資産運用についての話です。
今回は2025年6月6日にアジアの民間企業初の月面着陸を目指し、そしてあえなく失敗した宇宙ベンチャー企業ispace(アイスペース)と月面着陸船「レジリエンス」に関して、株価の値動きについての記事です。
無人探査機による月面着陸の難しさについてはまた次の記事でご紹介するとして、今回は特に同社の株価の値動きについてご紹介します。
ただの個人的備忘録の記録なので役に立つ情報は特にはありません。
月面着陸失敗(2回目)
すでにニュースにもなっているのでご存知の方も多いと思いますが、宇宙ベンチャー企業ispaceがアジアの民間企業としては初の月面着陸ミッションを敢行しており、そして失敗しました。
宇宙ベンチャーの「ispace」が6日、アジアの民間企業初の月面着陸を目指し、月面着陸船「レジリエンス」で再挑戦した。会場には約550人が集まり歴史の瞬間を見守ったが、予定時刻後に通信が途絶えた。月面着陸船は十分に減速できず、月に衝突したとみられている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/97a5f5b5013ce958d7436fbc0bdeecceeb2d1bf6
ちなみにこのispaceですが、月面着陸の失敗は2回目で、前回も失敗しています。
2年前の2023年4月にもやはり月面着陸を目指しましたが高度測定の誤りなどで正常に減速できず、月面に墜落しています。
今回の着陸機「レジリエンス」(resilience)は「再起」という意味を込めて命名されたそうですが、今回も月面にちょっとした穴を掘っただけでレゴリスの藻屑になっちゃいました。3号機の命名はどうするのかな?The Buddhaとかにするのかな?
ispace 年初からの株価の値動きについて
さて今回の記事では、この月面着陸失敗後の株価の値動きについてご紹介したいと思います。こういう事態になった場合に株価はどう動くのか、後学のために何かの参考になるでしょう。

まず月面着陸挑戦前のispaceの株価の値動きですが、上のようなチャートになっています。画像は日足チャート。
2025年1月15日のロケット打ち上げ(米国企業のファルコン9を使用)に向けて年初から上昇していましたが打ち上げ成功前から、綺麗なロケット曲線を描きつつ下落。
その後は底値でヨコヨコした後、トランプ関税ショックの4/7に直近最安値の555円を付けたのち上昇。
着陸3週間前の5/16に直近高値の1,460円を付けたのちナイアガラして、いよいよ着陸直前という現在は1,000円前後で推移していました。
月面着陸失敗後の株価の値動きについて
2連ストップ安のナイアガラ
で、2025年6月6日(金)の未明にいよいよ月面着陸!
ということで配信が行われていたのですが時間になっても成功の知らせが届かず、着陸機との通信が途絶えました。

しょ、少佐! 助けてください。げ、減速できません!シ〇ア少佐!
助けてください!

レジリエンスには大気圏を突破する性能は無い。気の毒だが・・・。 しかしクラ〇ン、無駄死にではないぞ。お前が連邦軍のモビry
で、失敗判明後の当日の寄付きがこちら。


1,500万株の特売りwwwwwwwww(特別売気配)

当然寄り付くはずもなくそのまま引けへ。いわゆるストップ安です。
前日比-300円の744円で引けました。
そして一晩経った翌日の寄付きがこちら。

1,100万株の特売りwwwwwwwww(特別売気配)
当然寄り付くはずもなくそのまま引けへ。いわゆるストップ安です。(2回目)
1日経っても何も状況が好転していない……。SNSは絶望の声で満ち溢れていました。
2連ストップ安により値幅制限解除

さて投資家の皆様は重々ご存知の通り、ストップ安が続いていくつかの条件を満たすと、値幅制限が解除されます。
具体的には2営業日連続のストップ安で、値幅制限が4倍まで拡大されます。

おれ達は1日前の4倍強ェぞ

このフ〇ーザはストップ安をするたびにパワーがはるかに増す…その変身をあと2回もオレは残している…その意味がわかるな?
で、ispaceも2連ストップ安なので値幅制限が解除されました。これは各証券会社で広く公開されました。

ispaceの場合は下値のみの限定解除で、
基準:594円
上値上限:694円
下値上限:194円
下値は一気に194円まで解放されてしまいました。ホルダーはもう半死半生の気分だったでしょう。投資家諸氏はその行く末を注視していました。
値幅制限4倍からの爆上げ
一体ispaceの株価はどうなってしまうのか、本当に194円まで下がってしまうのか、そもそも今日は寄るのだろうか……
そんな皆様の祈りとともに本日、6月10日(火)も元気にインチキ東証マーケットが開きました。

アンダー1700万の買い!

圧倒的じゃないか、我が軍は
574円ですぐに寄り付いたのち、圧倒的な買い方によって一気に株価は大上昇。20分ほどで+8%前後の上昇を演じました。

後場に入ってもその強さは変わらず。
結局終値は655円。前日比+10.26%という大暴騰を演じてこの日は終了。危うくストップ高でした。194円とは何だったのか。4倍界王拳とは何だったのか……。
相場の世界では「〇んだ猫でも高いところから落とすと跳ねる」と言いますが、高速で月面に突っ込んだ探査機でもしっかり跳ねるようです。
ということでここまでispaceの株価の値動きについてご紹介しました。こんなん予想できるか!という気もしますし、やっぱりな、という気もします。
この後どう動くかなんてもうわけがわからないよ状態です。1,000円に戻ってもおかしくないし、300円台に突入してもおかしくない。
まあこんな鉄火場に触ると今回は儲かったとしてもそのうち爆死するので、賢明な皆様は決して混ぜるな危険で、東証動物園として楽しく眺めておくのが良いと思います。
個人的に宇宙は好きだが……信用買いはリスクが大きすぎる
さて面白おかしくispaceについて書いてきた記事ですが
「冷血漢!」「血も涙もない!」「頑張っている人を馬鹿にするな!」
とお思いの読者様もいらっしゃるかも知れません。
個人的には宇宙はとてもロマンがあるので大好きですし、何なら貧困層なんか無視して人類は一刻も早く宇宙進出を進めるべきだとすら思っていますが、いざ投資対象となると……宇宙関連銘柄は決してオススメできるものでは無いと思います。
現状、宇宙ビジネスで本当に儲けることのできている企業ってごく一握りだと思います。ほとんどは国や公的機関からのジャブジャブ補助金でどうにかしているというか、そもそも宇宙は人類の威信と生存をかけて採算度外視で進めるものであって、本当の意味でビジネスとはまだ呼べない状況だと思います。
そんな状況で今回のアイスペースの株を着陸前から大量に買うとなると、これはもうハイリスクローリターンのギャンブルというほかありません。しかも現物ならともかく信用買い……

上の画像は5/30時点の信用倍率ですが、
買い残:934万株
売り残:300株(笑)
信用倍率:31,140倍

いや……正気ですか?
信用倍率5桁とか初めて見たわ。むしろ300株売ってるの誰だよ

↑さっきご紹介した年初からのアイスペースの株価チャートですが、1/9前後の打ち上げ前から上昇した株価は打ち上げ成功で下落。
この動きを見ていると、仮に今回の着陸が成功したところで株価が暴騰したかと言われると、かなり疑わしいと言わざるを得ません。むしろ材料出尽くしで下がった可能性すらあると思います。
Twitterなどで検索すると信用で数千株買いこんで追証とか、ストップ安で売るに売れないとか、PTSで何とかさばいて致命傷で済んだとか、そんなツイートばかり見かけます。おいおい……。
まあ直前に1,460円から1,000円近くまで下がって「これはお得だバーゲンセールだ」と思い込んで大量に買った人がいるのだと思いますが……あまりにもリスクを取りすぎたかなと。1銘柄(しかもグロースの宇宙銘柄)を信用パンパンまで買い込んで追証とか、それはもう投資ではないんですよ……。
ということで今回はここまでにします。
今回は月面着陸に失敗したispaceに関して、特に失敗後の値動きについてご紹介しました。今後の参考にしましょう。
月面着陸の技術的困難さに関しては次の記事で書く予定です。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!
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