先日からおすすめのJR路線62選と題して、日本全国にあるJR路線のうちぜひ乗りに行ってもらいたい路線をご紹介しています。前回はPart.3 関東編をご紹介しました。
今回はPart.4 甲信越~北陸地方編です。
㉗ JR上越線 (高崎-宮内) JR東日本
路線名:JR上越線 (高崎-宮内)
乗車日:2022年12月
種別 :水上発長岡行き普通列車など
乗車記:未着手
JR上越線は群馬県の高崎駅から新潟県の宮内駅までを結ぶ幹線です。
幹線とは言っても実態は長大ローカル線です。特急などもちろん走っていません。それどころか水上駅から長岡方面に北上する列車は、1日5本しかありません……。これで幹線かと首をかしげたくなりますが、まあ上越新幹線が並行してますからね。並行在来線として切り捨てられなかっただけ万歳なのかも知れません。
私の乗車史としては2022年の12月が最初の乗車になっていて、かなり最後のほうまで乗らずに残ってしまった路線になります。しかも地味に全線完乗をしておらず、2024年6月現在も一部区間を乗り逃しているけしからん状態です。
さて上越線の車窓はと言うと、高崎から北上するとすぐに赤城山と榛名山が見えてきます。雄大な赤城山をかなり見晴らし良く眺めることが出来て、関東平野の北端を実感します。
上越線にはあの川端康成の小説、雪国の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」のモデルになったトンネルが登場します。実際に冬に上越線に乗ると、からっ風の吹く上州から北上するにつれて急速に雪景色が展開されて、これから日本海側へと抜けていくのだという旅情を高めてくれます。
ぜひ冬に乗って欲しい路線です。もっとも美しい景色と引き換えに、大雪で運休や遅延が生じる可能性があるという諸刃の剣ですが…。
㉘ JR吾妻線 (渋川-大前) JR東日本
路線名:JR吾妻線 (渋川-大前)
乗車日:2022年12月
種別 :高崎発大前行き普通列車など
乗車記:未着手
JR吾妻線は群馬県の渋川駅から同じく群馬県の大前駅までを結ぶ地方交通線です。
吾妻と聞くと福島県の吾妻山(あづまやま)などが思い起こされますが、群馬県の場合はあづまではなくあがつまと読みます。鬼滅の刃の我妻善逸と同じ読み方です。
吾妻線の特徴は何と言ってもその先端部分です。渋川から終点1つ手前の万座・鹿沢口までは列車の本数も結構多く、何なら特別急行たる草津号が温泉を燃料にしながら走るなど、鄙びたローカル線にあるまじき厚遇を受けています。
ところが万座・鹿沢口から1つ先の終点大前駅に行こうと思うと途端に難易度が上がります。
なにしろ1日に4本しか列車がありません。特に10:37万座・鹿沢口発の列車を乗り逃すと次は17:07まで6時間半列車が無いという鬼畜のダイヤになっています。列車に乗るより普通に歩いたほうが早く到着できます。(距離にして3.3 km。徒歩45分程度でたどり着けます)
そんな苦労をして辿り着いた大前駅は終着駅の名にふさわしい、とても雰囲気の良い駅でした。薄く雪化粧していたのも相まってとてもいい感じ。ぜひ訪れて欲しいです。難易度が高いとは言っても高崎からの直通列車も出ているので案外気軽に行けます。高崎までは湘南新宿ラインで一発なので、関東民には乗りに行きやすい路線です。
㉙ JR中央東線 (塩尻-東京) JR東日本
路線名:JR中央東線 (塩尻-東京)
乗車日:2016年9月、2019年3月など
種別 :甲府発普通列車、中央特快など
乗車記:未着手
JR中央東線は東京都の東京駅から長野県の塩尻駅までを結ぶ幹線です。
東京から八王子までは中央特快などが満員すし詰めで走るただの通勤路線で、何も語ることはありません。が、八王子から高尾と進んでいくとにわかに山の嵐気が感じられてきます。
私が乗車したのは2016年の9月と2019年の3月ですが、9月は緑いっぱいの眩しい車窓で甲府盆地を見晴らせて、3月は少し雪を頂く八ヶ岳を見ることが出来ました。
塩尻から下っていくのも、東京から登っていくのも楽しい路線。これでロングシートじゃ無ければ文句の付け所がなかった…。私が乗車した時の中央東線はロングシート地獄だったのですよね。せっかくの景色の良い路線が台無しです。
アクセス自体は特急あずにゃん号などが走っているため良好です。沿線には河口湖方面への富士急行線もあるので観光にもぴったり。富士急行いいよね…乗りに行きたい。
㉚ JR小海線 (小淵沢-小諸) JR東日本
路線名:JR小海線 (小淵沢-小諸)
乗車日:2017年8月
種別 :八ヶ岳高原列車など
乗車記:信州旅行1日目など
JR小海線(こうみせん)は山梨県の小淵沢駅から長野県の小諸駅に至る地方交通線です。別名八ヶ岳高原線とも呼ばれています。
高原線の名前の通り、八ヶ岳連峰の麓を走る気持ちの良い路線です。高原の名は伊達ではなく、小海線はJR全線の中でもっとも標高の高い地点を走る鉄道路線になります。最高標高は1,375メートル。
中国国鉄などでは海抜5,072メートルという富士山の山頂以上のもはや酸素が薄い高所を走る鉄道路線などがありますが、日本国内では1,375メートルが最高地点。少々物足りなくもあります。富士山登山鉄道とかあったらよかったのにね。
さて小海線の車窓からは八ヶ岳が眺められ、野辺山駅で下車すると国立天文台、野辺山宇宙電波観測所を訪れる事もできます。
夏に訪れると爽やかな高原が楽しめ、冬に訪れると雪化粧の山々を見られるという、四季折々の顔を楽しませてくれる優秀な路線です。特に夏が良いです。夏の京都(40℃の地獄)から野辺山に行くと本当に天国のようでした。空気が澱んでじめっとしていない!サラリとしている!
㉛ JR篠ノ井線 (篠ノ井-塩尻) JR東日本
路線名:JR篠ノ井線 (篠ノ井-塩尻)
乗車日:2016年9月
種別 :松本行き快速
乗車記:東北一周 6日目
JR篠ノ井線は長野県の篠ノ井駅から同じく長野県の塩尻駅までを結ぶ幹線です。地方交通線ではなく、立派な幹線。
篠ノ井線と言えば何といっても、日本三大車窓でしょう。姨捨駅から眺める善光寺平は日本三大車窓として誉れ高い見事な車窓です。私が乗った時は姨捨駅で数分間停車が行われたので結構しっかりと景色を眺めることが出来ました。スケジュールが許せば途中下車してじっくり楽しみたい駅ですね。
長野駅周辺はJRがほぼ駆逐されているので青春18きっぷ旅行者などは乗りにくい区間ですが、篠ノ井線のためだけに長野を訪れる価値はあります。ちょうど新潟のほうに行かねばならぬ用事があるのでもう一度乗りに行きたいですね。でも大糸線経由も捨てがたい。むむ…。
㉜ JR大糸線 (松本-糸魚川) JR東日本/西日本
路線名:JR大糸線 (松本-糸魚川)
乗車日:2018年1月
種別 :南小谷行き/糸魚川行き普通列車
乗車記:未着手
JR大糸線は長野県の松本駅と新潟県の糸魚川駅を結ぶ地方交通線です。南小谷を境にしてJR西日本とJR東日本に管轄が分かれますが、ここでは一つの路線としてまとめて扱います。
大糸線が松糸線ではないのは、途中の信濃大町と糸魚川を結んでいることから来ています。
大糸線と言えば、やはり車窓から見える北アルプス(飛騨山脈)でしょう。私が乗車したのは2018年の1月でしたが、ちょうど雪をまとった蝶ヶ岳、常念岳などを眺めることが出来ました。
車窓から2~3000メートル級の山を見られる路線はそうそう無いので、大変貴重な路線です。また、中部地方から糸魚川へ、日本海側へと抜けるという地理的にも重要な路線です。実際に私も糸魚川から日本海に出て、その後どんどん北上して北海道まで到達したこともありました。
そうです。非常に重要な路線なのです。採算が取れないから廃線とか言ってる場合じゃないですよ、JR西日本。
㉝ 北陸新幹線 (東京-敦賀) JR東日本/西日本
路線名:北陸新幹線 (東京-敦賀)
乗車日:2017年10月、2020年10月、2021年11月
種別 :新幹線はくたか号、つるぎ号
乗車記:未着手
北陸新幹線は東京都の東京駅から福井県の敦賀駅までを結ぶ整備新幹線です。
私が乗った時は金沢どまりだったのですが、2024年3月に敦賀駅まで延伸されました。……ということは金沢~敦賀間に未乗車区間が生じています……けしからん。
新幹線と聞くとモグラ並にトンネルばかりを走り眺望は期待できないような印象がありますが、北陸新幹線は(山岳地帯の長野周辺はともかく)かなり見晴らしの良い路線に仕上がっています。
大宮付近で東北新幹線と分離するのもいい感触だし、特に日本海側に出てからがおすすめ。美しい日本海や富山平野を高架橋から眺望することが出来ます。
また、途中駅の黒部宇奈月温泉駅はまさに黒部川扇状地のど真ん中に位置しています。
黒部川扇状地は日本一大きい扇状地で、よく地理の教科書にも登場しています。ブラタモリで触れられたことでご存知の方も多いでしょう。番組で登場した赤い橋(愛本橋と言います)も新幹線の車窓からしっかり眺めることが出来ます。新幹線に乗りながら地理の勉強ができるという路線に仕上がっています。
新幹線なので運賃は高額ですが、結構割引きっぷがあったり乗り放題になったりすることもあるので意外に乗りやすいです。高速鉄道をただの移動手段と考えずに、ぜひ車窓も楽しんでいただきたいですね。
しかし敦賀駅が新幹線駅になったというのはなかなか実感がないです。ぜひ早めに乗りに行かなくてはいけません。敦賀はJR西日本が誇るアーバンネットワークの新快速がビュンビュン走っているので簡単にアクセスできます。
…と思って運賃を調べてみたら敦賀~金沢で5,490円!たっか!乗り放題きっぷが出るまで待ちます。
㉞ JR氷見線 (高岡-氷見) JR西日本
路線名:JR氷見線 (高岡-氷見)
乗車日:2017年10月
種別 :高岡発氷見行き普通列車
乗車記:未着手
JR氷見線は富山県の高岡駅から氷見駅までを結ぶ地方交通線です。
私の乗車史はというと、2017年10月にJR西日本30周年記念乗り放題きっぷという神のきっぷを使って、城端線と一緒に氷見線に乗車したのが最初で最後になっています。
ハイテクな北陸新幹線に乗ってからローカル線の氷見線に一歩足を踏み入れると、まるで50年くらい時を遡ったかのように錯覚します。そのくらい雰囲気が違う。(特に城端線はオンボロ車両がガタガタ揺れてひどかったです)
そんな氷見線はと言うと、海の上を走っているのかと錯覚するほど海のそばを通ります。道中、富山湾越しに立山連峰を眺められる絶景スポット、雨晴海岸が非常に有名。
北陸新幹線延伸のせいで、北陸本線などの他のJR路線から完全に隔絶されてしまった城端線と氷見線ですが、ぜひ実際に足を運んで乗ってもらいたい路線です。
私ももう一度乗りたい。今度は冬に。
それでは今回はここまでとします。
今回は主にJR東日本・JR西日本管区の甲信越~北陸おすすめ路線をご紹介しました。
次回は東海道~関西地方のおすすめ路線をご紹介していければと思います。それでは次の記事で!
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