こんにちは、ハルです。
今回は資産運用のお話です。
今回はタイトルの通りですが
「配当・優待落ちで配当分の株価下落は本当に起こるのか?」
という誰しもが一度は考える素朴な疑問を実際に検証してみた、という記事になります。
なおこの記事は資産運用に関して最低限の知識がある方向けに書いています。本当に右も左も分からないという方向けではありませんので申し訳ございませんがご了承ください。
2024年9月の配当落ちについて書いた以前の記事(↑)の、2025年3月版の記事です。
基礎的な説明事項は上の記事で行っているのでそちらをご覧ください。
権利付き最終日→権利落ち日の騰落率を検証
検証には実際の株価のデータを使います。
と言っても何か証券会社の高度なソフトやスクリーニングツールを使ったわけではなく、権利付き最終日と権利落ち日の実際の株価を私がチェックしてぽちぽち手打ちしただけです。平気で誤植がある場合がございます。先に謝っておきます。
さて、結果一覧がこちら!!!

これから私が述べることはすべてこの表に書いてあります。
そのため知識のある方はこの表を見ただけで私の言いたいことをすべて完璧に理解して下さると思いますが、
一応、散布図などを使って分かりやすくご説明したいと思います。

ちなみにこの表に出てきている銘柄に一体どういう共通点があるか、勘のいいひとは気付くはずニャ……

君のような勘のいいネコは嫌いだよ
一応表の見方のご説明と記事の主題

さすがに表が細かすぎて見ずらいので表の見方の例をご紹介します。
ここでは例として皆さんお馴染み日本航空JAL(9201)の例をご紹介します。繰り返しになりますが表中の各項目の説明は前回の記事をご覧ください。
JALの例だと、最終日終値が2,539円。落ち日始値が2,524円。15円の下落は最終日終値ベースで-0.59%の騰落率になります。((2539-2524)/2539=0.00590)
優待と配当の利回りを考慮した騰落率である総合利回り騰落率は、例えばJALの例だと優待利回りが0.39%、配当利回りが1.58%なので総合利回りは1.97%。
で、終値-始値の騰落率は-0.59%ですが、総合利回りは1.97%なので、株価の値動きと利回りを総合した騰落率は+1.38%となります。

あれ?プラス、ニャ……

お気づきになられましたか
この「総合利回りを加味した騰落率」が本当にマイナスになるのか?という点の検証が、この記事の主題です。ちなみにJALの場合だと、前述の通りプラスになります。
つまり最終日の引けで買って権利落ち日の寄り付きで売るだけで1晩寝ているだけでお金が1.38%増えた、と言うことを意味します。こんなことが許されていいのか!
まずはざっくり全銘柄をグラフで概観
上で述べたような計算を全銘柄で行った結果の表は上に乗せた通りですが、さすがに文字と数字だけでは見にくいのでまずはざっくり、グラフを使って概観をご紹介します。

上の散布図は今回検証した112銘柄の最終日終値-権利落ち日始値の株価の騰落率を示したものです。
横軸は証券コードなので深い意味はありません。
縦軸が騰落率です。上のほうにあるのが0%。0%という事は、終値と始値で差が無かったという事です。
y値が正の値になっている銘柄は配当落ちで値上がりした銘柄。y値が負の値になっている銘柄は配当落ちで値下がりした銘柄ということになります。
まずはざっとグラフを見て貰うと分かる通り、ほぼすべての銘柄でy値がマイナスです。
つまり配当落ちで株価が下がったという事です。それも、かなり下がっています。平均で言うと-2.12 %の下落。
2024年9月確定日の銘柄で同じ事を検証した際は権利落ちを跨いでもなお値上がりした銘柄が結構多かったのですが、今回は2025年1月よりはマシとはいえ、それでも厳しい結果になりました。
当日の日経平均も-700円ほどの下落だったので全体的にしんどい結果になりました。
ちなみに最も騰落率が良かったのはクオールホールディングス(3034)で、前日比+2.44%の上昇でした。
最も悪かったのは旺文社ホールディングス(9475)の前日比-11.40%の超絶下落でした。ひでえ。一つだけ明らかに奈落に点がプロットされています。

ご覧のように寄り付きでナイアガラしたお昼明けにちょっと無駄な抵抗をして上げましたが、結局底値圏内でヨコヨコしています。
まあ旺文社の場合は権利付最終日に向けて大きく上げていっていたので、その上げを戻しただけの形ではあります。
さて。もう一歩先に進めてみましょう。
今回は権利落ちで値下がりする銘柄がほとんどだったけれども、
「では優待と配当を加味した場合、どうなる?」
というお話です。
優待と配当の利回りを加味した配当落ちの考察
さて、ここで大事なことがあります。
配当落ちしたという事は「株主優待と配当金を貰う権利もゲットできた」という衝撃の事実です。
つまりですよ。寝て起きただけで値上がりしたのでお金が増えただけでなく(今回はほぼ全滅でしたが) 優待と配当金までゲットできると。こんなことが許されていいのか!!
この項では優待と配当金を加味した総合利回りを考慮した配当落ち騰落率を検証していきます。
結果がこちら!!

先ほどの散布図と見比べて貰うと、明らかにプラス圏に浮き出てきている銘柄が増えてきました。
今回検証した112銘柄中、マイナス圏に沈んだのは43銘柄で、残りの69銘柄は1晩寝て起きただけで利益が出たと判明しました。利益が出る確率62%です。う、うーん。微妙。

うーん微妙な結果
ちなみに一番悪い結果になったのは前述した旺文社の-8.17%でした。
旺文社は3,000円分の自社の本(ここでは1,500円分で換算しています)が貰えるのですが、なにしろ配当金が無いのが痛い。
3,000円分の本では到底穴埋めできない大損害が発生しました。
逆に一番良い結果になったのは、こちらも前述したクオール(3034)の+5.17%ということになりました。
クオールに関しては1単元17万円で3,000円の自社商品が貰えて優待利回りは1.74%、配当利回りも0.99%、総合利回りが2.73%と、数字的には平均的な数字なのですが、なにしろ終-始の騰落率が+2.44%なのが強すぎます。
次点は空港施設(8864)の+3.80%。1単元6.3万円で2,500円の自社食事券が貰えます。まあ自社サービスなので話半分の数字です。
その他、興味深い数字として、総合利回りを加味した騰落率がほぼ±0.00%になった銘柄が4銘柄ありました。つまり配当と優待が落ちたちょうどその分だけ株価が下落したということで、まさに理論通りの値動きをした結果になっています。(実際は税金分で損が出ます)
終値と始値、どこで買うのが一番良かった?
もう1歩進めます。
上のグラフは「最終日の終値」と「権利落ち日の始値」を見たものでした。
しかし前述した通り、4パターンの買い方売り方があります。そこで4パターンのうちどれが一番リターンの多い取引だったかを見ていきます。
結果は次の通り。

さすがに4つもグラフを出して比較するのは逆に分かりにくいため、ここは数字だけご紹介します。
組み合わせ | 総合利回りを加味した 各銘柄騰落率の相加平均 | 旺文社を除いた場合 |
---|---|---|
終値-始値 | +0.07% | +0.15% |
終値-終値 | -0.17% | -0.11% |
始値-始値 | +0.90% | +0.97% |
始値-終値 | +0.65% | +0.72% |
数字として出して見るとよく分かります。
結論:「権利付き最終日の始値」-「権利落ち日の始値」の組み合わせが一番リターンが良かった
2024年9月・12月・2月などは始–終、つまり一番株を長く持ち続けたパターンが一番リターンが大きかったのですが、今回初めて始–始となりました。
今回は引けにかけて下落幅が大きくなり、状況が悪化した銘柄が多かったです。そのためこのような結果となりました。
特に今回珍しく、終–終の組み合わせで損失が発生しました。2025年1月以外は基本的に儲かる総合利回り騰落率なのでややびっくりです。
ちなみに参考として、超絶下落した旺文社を除いた場合の結果も載せています。
112銘柄もあるのに旺文社一人で0.7~0.8ポイントも平均を押し下げています。めっちゃ迷惑。
配当落ちを跨ぐのがこわい場合 最終日と落ち日だけで取引する手法
以上の検証から、何とも微妙な結果が出てしまいました。
しかしですね。

やはり権利付き最終日から権利落ち日まで銘柄を持ち越すのは怖いよ
と。
そこで考えました。
「権利付き最終日だけ」「権利落ち日だけ」で取引する手法はどうだろうと。
つまりですね。
というような浅はかな考えに基づく取引手法です。
これは何も私が考えただけではなく昔からよく言われている手法の一つです。
これを検証してみましょう。
検証しましょうといっても全ては最初に載せた画像に乗っています。ここではその部分だけ抜粋します。

上の画像は
・左が権利付き最終日の始値で100株を買い、終値で売った場合の損益。
・右が権利落ち日の始値で100株を買い、終値で売った場合の損益。
を表しています。
まあ各銘柄でプラスになるものもあればマイナスになるものもあるのですが、平均をとると権利付き最終日は+2,821円の利益、権利落ち日は-1,450円の損失となりました。
前述したように今回は引けにかけて下げていくような動きが多く、権利落ち日の結果がマイナスになってしまいました。
ちなみにですが、キーエンス(6861)は株価が高すぎて、最終日の利益が+69,000円、落ち日の損失が-79,000円とかなり数が大きく平均プールを汚しています。
仮にキーエンスを外した場合、権利付き最終日は+2,224円の利益、権利落ち日は-752円の損失でした。結果は変わりませんが全体的に数字がおとなしくなりました。
112銘柄中、引けにかけて値上がりしたのは
権利付き最終日→94銘柄。84%の成功率
権利落ち日→42銘柄。38%の成功率
となりました。2024年9月・12月ともに80%以上の成功率だったので、権利付最終日に関しては満足いく結果になりました。

成功率84%は強いニャ!

最終日の取引は安定感ありますね
権利落ち日の値動きは予想しにくいので注意
注意点としては、権利落ち日の値動きは少々読みにくい点があります。本日2025年3月28日(金)の権利落ち日の値動きを、いくつかの銘柄を例に出してご紹介します。

先ほどもご紹介した旺文社は、寄りでしぬほど下がったのち少しだけ戻しましたが、いずれにしても-10%を越えるようなひどいナイアガラ状態で底値をウロウロしています。救いはありません。

橋本総業ホールディングス(7570)は寄り付きでまあまあ下がった上で、1日中ダラダラと下げ続けて引けではさらに奈落へ。今回こういう銘柄が多かったです。

JSP(7942)の場合は寄り付きで-2%以上の下落でしたが、その後ガンガンズンズングイグイ上昇して、引けではなんとプラス圏まで値を戻しました。寄り付きで売っちゃった人は台パンです。
結論:今月はまあまあの結果
ここまでをまとめます。
配当落ちにより、株価は落ちるものもあれが上がるものもある。
総合利回りで計算すると62%の確率で利益が出た
配当+優待落ちから計算される理論上の下落率よりは少しマシな下落率だった
一番利益率の高い組み合わせパターンは
権利付き最終日の始値で買い、権利落ち日の始値で売るパターン
それでも配当落ちを跨ぐのが怖い場合
・権利付き最終日の始値で買い、終値で売るとまあまあ利益が出た
・権利落ち日の始値で買い、終値で売ったらやや損失が出た
という結果になりました。
(ちなみにこの記事では税金は考慮していません。実際には20.315%の重税が課されます)
ということで今回はここまでにします。
今回は資産運用のお話でした。「配当落ちで株価は本当に下がるのか?」という素朴な疑問を検証してみたわけですが、結論としては今月は微妙な結果になりました。
2024年9月と12月の結果が信じられないほどボロ儲けという結果になり、これは実は鉄板の投資方法なのでは?と調子に乗っていましたが、今月は微妙な結果になりました。ただし2025年1月の恐ろしい下落よりはずいぶんマシで、2025年2月よりも良い結果になりました。
繰り返しますがこれは勧誘その他ではありません。あくまで1つの厳然たる事実として、皆様の何かの参考になれば幸いでございます。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!

変に権利落ちを跨がずに最終日だけで完結させるのが正解だったニャ

そのほうがドキドキしなくて心臓にはいいかも
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