先日からおすすめのJR路線62選と題して、日本全国にあるJR路線のうちぜひ乗りに行ってもらいたい路線をご紹介しています。前回はPart.2 東北編をご紹介しました。
今回はPart.3 関東地方編です。
関東は悪臭漂う満員電車しかない鉄道不毛の地かと思いきや、なかなかに見るべきところがあるナイスな路線も存在します。早速ご紹介していきましょう。
⑲ JR成田線 (佐倉-銚子) JR東日本
路線名:JR成田線 (佐倉-銚子)
乗車日:2022年12月
種別 :成田発銚子行き普通列車など
乗車記:未着手
JR成田線は千葉県の佐倉駅から同じく千葉県の銚子駅(正しくは松岸駅)までを結ぶ幹線です。
成田線?成田空港がどうしたと侮るなかれ。
皆さんが成田空港に行くために乗る路線と認識しているのは空港支線で、本線たる路線は上記した千葉県を東西に結ぶ路線です。
成田線は利根川に沿って西へと向かうため、利根川下流域の沖積低地部をこれでもかと楽しめます。
もともと関東自体は平野なのですがゴミゴミしたビル群におおわれているので全く眺めがよくありません。しかし千葉県もここまで来ると田園風景の広がる長閑な景色が展開されて、旅行者には眼福となります。
もちろん成田空港要素もあります。近くに成田空港があるため、列車に乗りながらにしてひっきりなしに離着陸する飛行機を眺めることが出来ます。列車のすぐ上を着陸態勢に入った飛行機が掠め飛ぶのはもちろん、アプローチのために飛行機が一列に並んで飛んでいる様子なんかも観察出来てとても楽しい。1つの窓から3~4機の飛行機を同時に眺めることが出来る、とても賑やかな車窓が展開されます。
⑳ JR鹿島線 (香取-鹿島サッカースタジアム) JR東日本
路線名:JR鹿島線 (香取-鹿島サッカースタジアム)
乗車日:2022年12月
種別 :佐原発鹿島神宮行き普通列車など
乗車記:未着手
JR鹿島線は千葉県の香取駅から茨城県の鹿島サッカースタジアム駅という謎の駅までを結ぶ地方交通線です。
鹿島線は比較的新しい路線なので全線の多くの区間が高架になっていて、非常に眺めの良い車窓が特徴です。
利根川、常陸利根川、北浦と3つの川を渡河するのですが、最後の北浦が特におすすめ。上に写真を載せていますが、両サイドが幅の広い川なので本当に海の上を渡っているかのような爽快感を味わう事が出来ます。
利根川流域の低地部分を走るために前述した成田線と同じように地平線が見えそうなほど見晴らしの良い平野を眺めることも出来て、短い路線ですがとても楽しめる路線です。
なおJR全線完乗の大計画完遂にあたって最大級の障害となるのがこの鹿島線の終着駅「鹿島サッカースタジアム駅」です。詳しくは個別の旅行記にて…。
㉑ JR内房線 (蘇我-安房鴨川) JR東日本
路線名:JR内房線 (蘇我-安房鴨川)
乗車日:2020年10月など
種別 :君津発館山行き普通列車など
乗車記:未着手
JR内房線は千葉県の蘇我駅から同じく千葉県の安房鴨川(あわかもがわ)駅までを結ぶ幹線です。
房総半島の西側を通る路線で、車窓からは多くの区間で東京湾を眺めることが出来ます。
東京湾と言うとゴミや廃棄物やう〇ちが浮かんでとても見れたものじゃないみたいな印象があるかも知れませんが、千葉県南部まで来ると意外なほどキレイです。
対岸には三浦半島も見えます。上の写真で見えているのは恐らく横須賀~久里浜周辺だと思いますが、湾には多くの貨物船が行き来するのも見えて眺めているだけで楽しい車窓です。
JR全線完乗的な見地から内房線の良いところを述べると、実は内房線では大回り乗車が可能です。
実際私も房総半島一周と題して、内房線から外房線へと乗り継ぎました。うまくやれば初乗り運賃だけで房総半島を一周出来てしまうので関東在住の方は気軽に乗りに行ける路線となっています。路線が入り組んでるのでこういうときだけは東京地方の住民がうらやましいですね。
㉒ JR鶴見線 (鶴見-扇町・海芝浦・大川) JR東日本
路線名:JR鶴見線 (鶴見-扇町・海芝浦・大川)
乗車日:2019年1月
種別 :鶴見発普通列車など
乗車記:未着手
JR鶴見線は神奈川県の鶴見駅から同じく神奈川県の扇町、海芝浦駅、大川駅までを結ぶ謎の路線(しかも幹線(!))です。
東京周辺の路線はそのほとんどが人間が多すぎて悪臭漂う路線になっており、とてもおすすめ出来るような状態ではありません。ところが鶴見線だけは別で、非常に雰囲気の良い路線に仕上がっています。
といいますのもこの鶴見線は京浜工業地帯への通勤に使われる路線なのですが、都会のど真ん中とは思えないほど旅情を感じられる路線なのです。
特に夕暮時~夜に行くのがオススメです。工場が立ち並ぶ海沿いを走るので工場の夜景や夕焼けに染まる海を眺めることが出来て、ここが神奈川のど真ん中である事を忘れてしまいます。
特に海芝浦駅は、駅のプラットホームのすぐ横が海です。全国津々浦々のJRの駅で、たぶん一番海に近い駅だと思います。何なら手を伸ばせば海面に触れられそうな近さです。ホームの横に駅があるというか、海の上にホームが浮かんでいるイメージ。
東京からわずか30分で訪れることが出来る、東京近郊でほぼ唯一のおすすめ出来る路線です。
㉓ JR横須賀線 (大船-久里浜) JR東日本
路線名:JR横須賀線 (大船-久里浜)
乗車日:2016年9月
種別 :久里浜行き普通列車など
乗車記:未着手
JR横須賀線は神奈川県の大船駅から同じく神奈川県の久里浜駅までを結ぶ幹線です。
特徴はやはり軍港「横須賀」です。車窓から投錨している護衛艦が見える路線は本当に貴重ですが(というか横須賀線だけ?)横須賀線は本当に目の前に護衛艦群が並んでいるのを見ることが出来ます。
戦前には広島の呉線などでも軍艦を見ることが出来たそうですが、威張り散らした車掌が防諜のためだと車両の雨戸を閉めて軍港のほうを見ないように強制していたそうです。
たぶん横須賀線でも同じ光景が繰り広げられたと思われ、このように軍艦の写真を撮るなど言語道断。昔なら憲兵本部に連れていかれてスパイ容疑で大変な目にあったでしょう。それが今や見放題、撮り放題。平和な良い時代です。(呉はもうちょっと防諜に気を付けたほうが良いと思いますが…そういえば中共がいずもをドローンでスパイしていたのは横須賀でしたっけ)
そんな横須賀。有名観光地だけあってそこそこ混雑はしますが、終着の久里浜まで行くとのんびりした終着駅の雰囲気が漂います。東京から簡単に行くことのできるオススメ路線です。横須賀を訪れた際はぜひ記念艦三笠もセットで訪問してくださいね。
㉔ JR伊東線 (熱海-伊東) JR東日本
路線名:JR伊東線 (熱海-伊東)
乗車日:2019年1月
種別 :熱海発伊豆急下田行き普通列車など
乗車記:未着手
JR伊東線は静岡県の熱海駅から同じく静岡県の伊東駅までを結ぶ幹線です。
風光明媚な伊豆半島を通るだけあって、車窓からは美しい海を堪能できます。特に熱海を出て高台を走るため、高台から熱海の町を見下ろして沖合には初島が見えるというかなりおすすめ出来る車窓が展開されます。
東海道線を東に西に驀進するのではなく、たまには伊東線のことも思い出して乗ってあげてください。予想以上に満足できると思います。
私の乗車史的には2019年の1月に青春18きっぷを使って伊東線に乗ってきました。伊東線自体は満足したのですが、どうせなら伊豆急行線にも乗って伊豆急下田まで乗ってしまえば良かったなと今書きながら思ってます。私鉄は運賃が高いし盲腸線であることがほとんどで、ただ往復するためだけに乗るのはもったいなくて憚られるのですよね…。どうせなら沿線で途中下車して観光も楽しみたいものです。
㉕ JR久留里線 (木更津-上総亀山) JR東日本
路線名:JR久留里線 (木更津-上総亀山)
乗車日:2022年12月
種別 :木更津発上総亀山行き普通列車など
乗車記:未着手
JR久留里線は千葉県の木更津駅から同じく千葉県の上総亀山駅までを結ぶ地方交通線です。
路線名の久留里は「くるり」と読みます。なんだか賑やかで楽しそうな響きの路線ですが、実態は木更津の近くはともかく末端はド田舎を走るドローカル線で、令和6年にもなって廃線になっていないのが正直奇跡のような路線です。
実際私が2022年にJR全線完乗の一環として乗りに行った時も、お客さんは非常に少なく閑古鳥が鳴いているといった状態でした。関東地方にこんなにのんびりとした場所があるとは…と意外に思ったのを覚えています。
ところでJR東日本的にも路線を維持するだけで大赤字なこの久留里線に対して、とうとうバス転換を含めた今後のあり方を検討する方針を決めたらしいです。次に災害でも起こったら絶対に復旧して貰えません。正直いつ廃線になるか分からない路線なので今のうちに乗りに行っておきましょう。
㉖ JR青梅線 (立川-奥多摩) JR東日本
路線名:JR青梅線 (立川-奥多摩)
乗車日:2022年12月
種別 :ホリデー快速おくたま1号など
乗車記:未着手
JR青梅線は東京都の立川駅から同じく東京都の奥多摩駅までを結ぶ地方交通……と思いきや幹線です。
ゆりかもめの青海駅(あおみ)とよく間違えることで有名なあの青梅(おうめ)です。
青海駅は東京湾のど真ん中の大都会ですが、青梅線の青梅はただの田舎です。もし間違えてしまった場合は絶望でしょう。
沿線としては東京にこんな田舎があるのかと思うほど山深い路線です。硫酸銅でも溶けていそうなエメラルドグリーンの多摩川を眺めつつ単線のローカル線を進み、終着「奥多摩駅」に到着すると妙な満足感が得られることでしょう。
とはいっても短い盲腸線です。立川から1時間ほどで終着奥多摩までたどり着けるので関東在住の人は気軽に乗りに行けます。関西からわざわざ乗りに行こうとすると結構大変です…大変でした。
それでは今回はここまでとします。
今回は主にJR東日本管区の関東おすすめ路線をご紹介しました。
次回は甲信越~北陸地方のおすすめ路線をご紹介していければと思います。それでは次の記事で!
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