こんにちは、ハルです。
先日からJR西日本30周年記念きっぷの旅の旅行記を書いております。前回は3日目中編その3として北陸新幹線に乗って一番東の端の上越妙高駅にたどり着いたところまででした。(↓)
今回は後編その1です。未乗車路線であるJR氷見線に乗っていきます。
旅行経路は以下の画像の通りです。
上越妙高→新高岡
さて現在地は北陸新幹線のJR上越妙高駅です。JR西日本とJR東日本の境界駅で、私が持っているJR西日本30周年記念きっぷではこれより先には行くことが出来ません。
残りの上越妙高~高崎間に乗るのはまたの機会にして、富山方面に戻ることにしましょう。
14:17 上越妙高 発 北陸新幹線 はくたか563号(金沢行き)
上越妙高は19分の滞在時間でした。ちょっと改札の外に出て上越の空気を吸うくらいはできました。
さて再び糸魚川に近づき、日本海の姿が見えてきます。
往路は海側の車窓を見たので、復路は山側の車窓を眺めることにしましょう。盲腸線などの同じ路線を行き来する際は往復で座る向きを変えるのが飽きないコツです。
さて右側には日本海が広がっていますが、左側の車窓はというと、予想外の巨大な工場群が見えてきます。
これは明星セメントという企業の糸魚川工場。この斜めのベルトコンベア(?)を見るといかにもセメント工場といった風情です。実際何を運搬しているのかは知らないけれども。夜な夜なダイソンスフィアを建造している私なのでベルトコンベアを見るとウズウズしてきます。
お次は山の中に謎のパイプが突き刺さって伸びています。非常に怪しい。何かの極秘施設のようです。
しかしズームしてみると「東京発電 姫川第七発電所」と書いてあります。東京発電とは東京電力のグループ企業で、水力発電を専門にやっている企業のよう。つまりこれは現役の水力発電所なのです!列車内から水力発電所が見れるのはかなり貴重。
ちなみに上のウェブサイトによると、姫川第七発電所の総出力は46,600 kW。この数字は同社の水力発電所の中でダントツに多い数字です。
まあ火力発電所だと300万 kWとかなのでさすがに桁違いではありますが。
ちなみにダイソンスフィアだとTJ (テラジュール)級の発電量になるそうです。
山側は非常に山深い。この山からもたらされた豊かな水資源を水力発電に利用しているのだと思われます。なだらかな裾野が広がるというより、傾斜の険しい山が海のすぐそばまで立地している感じです。
さて車窓にはさらに巨大な工業地帯が出現します。これはデンカという化学系企業の田海工場。カーバイドや生石灰などを生産しているようです。
これまで富山県と聞いても魚介類や薬などは思いつくものの、工業地帯を想起することはあまり無かったのですが、実際は意外なほど工業地帯が広がっています。海が近いからなのか材料の問題なのか。
工業の話はもう少し続きます。
と言っても今度は鉱業の話です。
写真は前回もご紹介した神通川を渡河中のものですが、神通川と言えばカドミウムによって引き起こされた公害「イタイイタイ病」の発生地でも知られています。
こんなに綺麗な神通川で公害?と疑問に思っていましたが、確かに豊かな自然とは不釣り合いな、多くの工業地帯の姿を富山県の日本海側では見ることが出来ました。
※イタイイタイ病の原因は神通川の上流にある岐阜県の神岡鉱山です。富山県海側の工業地帯とは何の関係もありません。念のため補足。
さて列車は広い河原を通過中。黒部川を渡河中の様子です。
河原を見ると小さな石がゴロゴロしていて水はけのよい扇状地と言った風情。
それもそのはず、この黒部川扇状地は日本で一番大きいと言われている典型的な扇状地で、地理学の教科書などにも典型例としてよく登場します。
車窓に見える全部が黒部川が生んだ扇状地!
よく見ると画面右端のほうに赤い橋が小さく映っています。これは扇状地の扇の要に架かっている愛本橋という橋で、この両岸が地質的に異なるからこの独特の光景が生まれた、とブラタモリでタモリさんが紹介してくれました。実に勉強になる車窓です。
15:06 新高岡 着
本日3回目の新高岡駅です。同じ日に同じ駅へ三度降り立つなんてこともなかなかないですね。
本当はもう少しマシなスケジュールを立てていたのですが、乗るはずの列車に乗れなかったのでこんなことになってしまっています(´・ω・`)
15:14 新高岡 発 JR城端線 普通(高岡行き)
さて新高岡駅から再び城端線に乗りますが、今回は先ほどとは逆方向の高岡方面へ向けて乗車します。
車体には美しい富山の山々の風景のほうかに、パンチの利いた謎のキャラクターが描かれていました。富山のゆるキャラかなんかですか?
15:17 高岡 着
新高岡駅からわずか3分の乗車で、終着の高岡駅に到着。これでJR城端線は完乗!
間髪入れずに次の列車に乗車します。
15:22 高岡 発 JR氷見線 普通(氷見行き)
ということでここからは未乗車路線であるJR氷見線に乗車します!城端線の列車とは接続されていて、5分の乗り換え時間が確保されていました。
JR氷見線は「ひみ」線と読みます。交通の要衝、高岡から北へ。氷見へと至る短い盲腸線です。
最初の駅は富山県の旧国名「越中」の名を冠した越中中川駅です。
ちなみに氷見線の車両は昔ながらのキハ40 2083号車でした。
キハ47は日本全国あちらこちらに出没しますがキハ40はあんまり見かけない印象です。
我が列車は北東方向へ進み、伏木駅で90°進行方向を変え、今度は北西に向かいます。
車窓にはにわかに海の気配が漂ってきて……ここからが大注目ポイントですよ!
これです!!!これがJR氷見線のイチオシポイントで、氷見沿いの日本海のすぐ間近を列車が通るのです。
私も日本全国津々浦々のローカル線に乗ってきましたが、ここまで海に近い場所を走る列車はなかなか乗ったことがありません。防波堤や波消しブロックなどが視界に入らず、視界には青しか存在しません。まさに海の上を往くかのよう。
そんな富山湾には松の生えた小さな島がポツンと浮かんでいます。
相当に硬い岩石で出来ているのか、日本海の荒波に削られても消滅せずに頑張っています。そんな島に敬意を表して(?)「男岩」と名付けられています。
しかしどうですか。車窓全部、一面が海!!!!水平線まで見晴らせる!!
画面左側に見える半島は能登半島。この時点ではまだ未上陸でした。
(後日穴水を訪れました。その後すぐに能登半島地震が起きましたが……←相変わらずこいつが旅行に行くと災害が起こる)
やや日が落ちてきて車窓に赤みがかかってきました。それもまた陰影が出てきていい感じです。
列車の右はすぐ海。左はすぐ崖です。いわゆる海食崖と呼ばれる切り立った崖の隙間を身をよじるようにして氷見線の列車は進んでいきます。
車窓には再び小さな島(というか岩)が現れます。
先ほどの男岩と対比して、こちらは女岩と呼ばれているそうです。たしかにどことなく女性的な雰囲気が漂っているような気もします。
そんな女岩は砂浜の目の前にあります。満ち引きによっては陸繋島になりそうな近さです。
ちなみにこの砂浜が有名な雨晴海岸なのかな?漂着したのか置き去りにされたのかゴミが複数放置されていてあんまり綺麗では無さそうですが……。
やはりここが雨晴海岸のようです。
山々と列車を一緒に眺められるスポットとして有名なので、海岸には複数の観光客がスタンバイして盛んにこちらを見ておられました。
ということで列車は雨晴駅に到着。先ほども触れましたが雨晴海岸が有名です。あまりキレイそうではなかったけども。
雨晴(あまはらし)という地名は、あの源義経の伝説に由来するそうです。奥州に逃げる際に岩の陰で雨が晴れることを待ったということから名づけられたそう。その義経岩と呼ばれる岩も現存するそうです。写真で見たらたしかにちょうど雨宿りに最適な感じの岩でした。
ちなみに冬の晴れた日には、雨晴海岸からこんな感じのすんばらしい景色が見えるそうです。
こ、これは……ちょっとすごすぎますね。ぜひまた冬にも乗りに来たいものです。
15:51 氷見 着
というところで列車は終着、JR氷見駅に到着。
これでJR氷見線は完乗達成!!
高岡からはわずか29分の短い乗車でした。しかし物凄く密度の濃い車窓でした。氷見線から見る富山湾の海の景色が素晴らしすぎる。
短いけど中身の濃いという、よくある長いけれども平凡で間延びする車窓とは対極の存在でした。短い盲腸線だろと思って侮っていましたが、氷見線、素晴らしかったです。また乗りに行きたい。
という事で今回はここまでにします。
今回は上越妙高から高岡まで移動、そののちにJR氷見線に乗車しました。とても満足しました。
次回は30周年記念きっぷ最後の旅行記。氷見から京都に帰還します。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!
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