こんにちは、ハルです。
今回は鉄道のお話です。
また悲しいニュースが飛び込んでまいりました。
2023年6月の豪雨災害により鉄道での運行が運休していたJR美祢線(みねせん)ですが、とうとう廃線になることが決定されてしまいました。今後はBRTでの復旧を目指すとのこと。おお、もう……。
JR美祢線が廃止・廃線へ
冒頭でお話ししましたが、2023年の災害で運休が続いていた山口県のJR美祢線について、とうとう廃線になることが決定されました。
おととし7月の豪雨で被災し、運休が続くJR美祢線の復旧方法を巡り、沿線3市の市長と知事が速達性のあるバス輸送システム「BRT方式」による復旧で合意しました。
7日、3市の市長と知事が協議を行い、「BRT方式」による復旧を進めていくことで合意。 これにより、事実上、鉄道は廃線となります。
JR美祢線「鉄道は事実上の廃線に」山口県や沿線自治体がBRTによる復旧で合意
本邦ではもはやインフラを維持する力は残されておらず、このように災害をきっかけとして鉄道が廃線になる事例は枚挙に暇がありません。
もっとも、私とJR美祢線の関係は「ただ一度乗っただけ」と言うものであり、私などが「ありがとう美祢線」などと言ったり、大げさに追悼したり、何かを要求するのは勘違いも甚だしくおこがましいというもの。
「鉄道を残せ」「公共交通機関としての役割を果たせ」
そう言うのは簡単ではありますが、実際の関係者の方が「廃線」を決定されたのであればその判断を尊重して、従うしかありません。
悲しいのは非常に悲しいですし残念無念ではありますが、私にできるのはただ美祢線の思い出と風景をここで振り返って気持ちを整理するのみです。
JR美祢線の思い出と風景
ここではJR美祢線の思い出と風景を振り返って、私の気持ちを整理を行いたいと思います。
前述したように私は美祢線にはただ一度乗車したのみであります。
以下は私がライフワークとして進めているJR全線完乗の一環として、2021年11月にJR西日本どこでもきっぷという神のきっぷを利用して実施した旅行の記録です。
それではJR美祢線の沿線風景などをただただ貼り付けていきます。

2021年11月某日 10:30 JR美祢線
山陽新幹線に乗って山口県は厚狭駅に降り立ち、未乗車路線であるJR美祢線に乗車しております。
さてJR美祢線は、ほぼ全線に渡ってこのようなかわいらしい川と並行して敷設されております。名前は厚狭寄りが厚狭川、長門市寄りが深川川。
深川川とは変な名前ですが、ふかわがわと読みます。

厚狭川と深川川はおそらく中国山地の中央分水嶺を隔てて分かれているのだと思います。
厚狭寄りでは小さな小川のような風情でしたが、上の写真ではなかなか雄大な流れになってきております。

厚保駅に停車中の写真です。
厚保と書いてあつと読みます。アホじゃないです
いかにも国鉄風の駅舎に青い跨線橋が良い感じ。

これも厚保駅かその次の四郎ケ原駅あたりだと思うのですが、列車の交換が行われます。
美祢線をド田舎のローカル線と侮るなかれ。実はかつて貨物列車がたくさん走っていた影響で、2線2面の贅沢なホームが整備されている駅が結構多く、ホームもかなり長いです。

駅名不明で申し訳ありませんが、右には0番乗り場風にホームに切り込みが入れられている様子、左には採石場でもあるのか、山が削られて山肌がむき出しになっている様子が分かります。
11月と言うこともありなかなかに寒々とした景色ですが、結構見晴らしはよく、解放感を感じる風景です。

路線名の由来にもなった美祢駅を過ぎ、於福駅手前の宮の前踏切周辺の様子。
晩秋という事で右にはススキの穂が揺れる、なんとも好ましい風景です。

列車は於福駅に到着。おふくと読みます。
駅舎には「美祢線 ありがとう」と大書された張り紙が貼ってあります。この当時は当然美祢線の廃線など決まっておらず、何に対しての感謝なのか不明ですが、日頃の感謝を述べたものなのかもしれません。
それか以前にも美祢線が不通になったことがあり、その復旧のお礼なのかも。

盛り土された土手を走ります。いかにも田舎のローカル線と言った風情でとても好き。
もちろん単線・非電化なので視界を遮るものが無く、前面展望は良好です。


11:26 長門市 着
そして列車は終着、長門市駅に到着。始発の厚狭駅からは1時間9分でした。
わずか1時間9分で瀬戸内側から日本海側へと本州を縦断したことになります。山口県まで来ると本州も狭くなっているから出来る芸当です。

折り返し列車となるためしばしの休息に入る我が列車。
もちろん1両編成です。都会の人はこの1両編成の列車を見るためだけに田舎に出向く価値がありますよ。なんとも牧歌的な光景です。
奥には山陰本線のキハ47と思われる赤い列車もいてほっこり。
ちょっと足を延ばして仙崎支線、仙崎駅まで
以下蛇足です。
さて無事に厚狭から長門市まで乗車し、JR美祢線の完乗を達成しました。
はるばる長門市に来た理由は、1つは美祢線完乗のためですが、実はもう1つあります。

そのもう一つの野望を達成するために、おもむろに列車から降りて仙崎の街を徒歩にてお散歩します。私の旅行はほぼ鉄道一点張りなので、徒歩での観光パートは非常に珍しいことであります。
ちなみに写真の線路はJR山陰本線・仙崎支線の線路。

そのまま日本海の海岸沿いに沿って仙崎方面へと歩いて移動します。
海岸には巨大なホイヘンスの原理の実験器がこしらえてありました。波の回折をこれでもかと体感できます。

そして徒歩にてJR仙崎駅に到着!!これでJR仙崎支線は完乗……とはなりません。なにしろ徒歩だからね。
ちなみに仙崎駅は瓦葺きでいかにも和風建築という素敵な外観ですが、その中身は鉄筋コンクリートです。だ、騙された……!

仙崎駅の駅名標もご紹介しておきましょう。
全国色々なところに旅行に行かれている方も、あるいは鉄道ファンでも、ここ仙崎駅まで来たことがあるという方はかなり少ないでしょう。なにしろクッソ田舎のクッソ乗りにくい僻地にありますからね。
JR仙崎支線に乗った記録はまた別の機会にご紹介できればと思います。
道の駅 センザキッチンで漁港の海鮮丼をいただく

話はさらに脱線をします。
そろそろお昼時で胃袋が抗議の声を上げておりますので、JR仙崎駅のすぐ横にある道の駅 センザキッチンに向かいます。
センザキッチンと言う名前はもちろん「仙崎」と「キッチン」を掛け合わせています。
鉄道旅行なのに道の駅を利用するというなんとも奇妙なことになりました。

そんな私を出迎えてくれたのがこの仙崎港という漁港で水揚げされた新鮮な魚を使用した海鮮丼!!!!!!!!!!
恐ろしく安いのに恐ろしく美味しかったので4年経った今でも非常に鮮明に覚えています。

上の写真にも載っています通り私が注文したのは「日替わりサービス海鮮丼」で、価格はなんと500円。
こういう、漁港直送(というか漁港併設)の食堂でその土地の物を安く食べられる。
最高ですね!鉄道旅行ではなかなか出来ない芸当なので非常に印象深く、とても良い思い出になりました。
ということで今回はここまでにします。
今回はJR美祢線の廃線の悲報と、私の美祢線の思い出と風景をご紹介しました。
すでに美祢線に乗車することは叶わなくなってしまいましたが、日本には他にも美しい路線が数々存在しております。災害とJR当局に破壊される前に、少しでも後悔しないように乗っておかなければと思う次第であります。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!
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