先日からおすすめのJR路線62選と題して、日本全国にあるJR路線のうちぜひ乗りに行ってもらいたい路線をご紹介しています。前回はPart.8 四国編をご紹介しました。
今回は最終回。Part.9 九州地方編です。
58・ JR博多南線 (博多-博多南) JR西日本
路線名:JR博多南線 (博多-博多南)
乗車日:2019年2月
種別 :博多南線 特急
乗車記:未着手
JR博多南線は福岡県の博多駅から同じく福岡県の博多南駅までを結ぶ謎の幹線です。
博多南線はツッコミどころ満載です。
まず、全線が福岡県に存在するのに管轄はJR西日本です。そしてやってくる列車はなんと新幹線車両です。(私が乗車した時は運よく500系新幹線がやってきてくれました)
しかし博多南線は新幹線ではなく、在来線です。種別も特別急行になります。新幹線に乗れるのに在来線扱いとか、もはや意味不明です。
これは博多駅から南にある博多総合車両所まで「新幹線を回送するついでに客扱いをしてしまえば良くね?天才の発想でござるなw」という概念から生まれた路線です。博多総合車両所の横に博多南駅を設置して、車庫に向かう新幹線に便乗できます。
というわけで新幹線車両に乗れますが、扱いは在来線特急です。
そのため乗車券200円、特定特急券100円の合計300円(今見たら330円に値上げされてました)で、運が良ければ500系新幹線ちゃんに乗れてしまう!!という何ともお得な路線になります。300円で新幹線に乗れるのは全国でここだけ。
(と思いましたが最近上越新幹線に乗ってきたとき、250円で新幹線に乗車出来ました)
かわゆい500系新幹線は時速320 kmで爆走する……と思いきや在来線扱いなので、最高速度は時速120 kmに制限されています。
しかし営業キロ8.5 kmの非常に短い路線なので、わずか8分で終着についてしまいます。わずか8分の夢の時間、たっぷり楽しんでもらえればと思います。
59・ JR三角線 (宇土-三角) JR九州
路線名:JR三角線 (宇土-三角)
乗車日:2019年2月
種別 :熊本発三角行き普通列車
乗車記:未着手
JR三角線は熊本県の宇土駅から同じく熊本県の三角駅を結ぶ地方交通線です。
宇土はうと、三角はさんかくではなく「みすみ」と読みます。なので路線名もさんかく線ではなくみすみ線と読みます。
三角線は宇土で鹿児島本線から分離して西へ、天草方面へと向かいます。
すると間もなく有明海が見えてきます。有明海と言えば干潟やムツゴロウで有名であり、三角線の車窓からもしっかり干潟っぽさをうかがう事が出来ます。
さらに進むと小さな漁港と漁村が見えてきます。バックには有明海、対岸には雄大な雲仙普賢岳!
水平線の彼方まで一面海、という風景も良いのですが、背景に山が見える車窓と言うのもまた良いものです。特に雲仙岳は独特の荒々しい山体が特徴的で、火の国、九州にいるのだという思いが強くなります。
短い盲腸線なのですが熊本からの直通列車も出ていてアクセスも悪くないです。ぜひ穏やかな有明海と雄大な雲仙普賢岳を見に三角線に乗りに行ってみてください。
60・ JR豊肥本線 (大分-熊本) JR九州
路線名:JR豊肥本線 (大分-熊本)
乗車日:2016年3月
種別 :九州横断特急
乗車記:未着手
JR豊肥本線は大分県の大分駅から熊本県の熊本駅を結ぶ幹…なんと地方交通線です。
路線名はほうひ本線と読みます。放屁
熊本と大分という九州の東西の大都市を結ぶ路線で特急も多く設定されているにも拘らず、地方交通線扱いです。ひどい!
さて豊肥本線と言えば、九州を東西に大横断する路線であり、全国のJRの路線の中でもトップクラスに物凄いところを通る路線になります。どう物凄いかというと、火山の中を通ります。(真顔)
ご存知の通り、九州中央には阿蘇山と言うヤベェ火山が存在します。
現代でも阿蘇山が大噴火すると九州は火砕流に飲み込まれて溶けてなくなる、本州は東北まで火山灰に覆われて日本という国家は消滅すると言われている暴れん坊の火山ですが、この阿蘇山が過去に大噴火しました。その大噴火で出来たカルデラは巨大すぎて、現在では中に人が住み、鉄道も国道も通っているというわけです。
スケールが大きすぎて中に入ると普通の盆地ですが、ここはあくまでもカルデラの中。火山の火口の中です。そんな場所に住むのはヤベェとしか言えません…。
さて私の乗車史としては2016年に九州一周の一環で豊肥本線に乗りました。車窓ではやはり阿蘇カルデラが一番の注目ポイントです。阿蘇カルデラの外輪山が低くなっている立野駅でスイッチバックをこなし、列車は阿蘇カルデラに突入します。
阿蘇駅周辺では視界が開けて盆地になっており、一見すると京都にいるような感覚に陥るのですが、この山に見えるのはすべてカルデラの壁です。
周囲も全て火砕流にすべてを焼き尽くされた場所です。いわゆる火砕流台地というやつです。
そんな大地の驚異的なスケールを列車に乗っているだけで楽しめる豊肥本線。おすすめです。
61・ JR肥薩線 (八代-隼人) JR九州
路線名:JR肥薩線 (八代-隼人)
乗車日:2016年3月
種別 :吉松発熊本行きしんぺい
乗車記:九州一周2日目
JR肥薩線は熊本県の八代駅から鹿児島県の隼人駅までを結ぶ地方交通線です。愛称はえびの高原線。
肥薩線といえば、もう何でもあります。スイッチバックあり、ループ線あり、なんと日本三大車窓もあります。今ならおまけで機銃掃射もつけます。(途中の駅に米帝の艦載機による機銃掃射に襲われた弾痕が残っています)
やはり一番のイチオシポイントは日本三大車窓でしょうか。日本三大車窓「肥薩線から望むえびの高原」は見事の一言。
真に綺麗な景色を見たとき、人は言葉を失うということを実感しました。いさぶろう・しんぺいの車内も妙にシーンとします。
「日本一の鉄道路線は?」と聞かれた場合、多くの人はこの肥薩線を挙げるでしょう。そのくらい美しく、楽しく、勉強になる路線です。
険しい場所を進むため災害に弱い肥薩線。運休になる前に、何を置いてでも乗りに行くべき路線です。さぁ今度の休みは九州へ行こう!
62・ JR長崎本線旧線 長与支線 (浦上-長与-喜々津) JR九州
路線名:JR長崎本線旧線 長与支線 (浦上-長与-喜々津)
乗車日:2019年5月
種別 :長崎発普通列車(長与経由)
乗車記:未着手
JR長崎本線 長与支線は長崎県の浦上駅から同じく長崎県の喜々津(ききつ)駅を結ぶ幹線です。長崎本線が幹線なので長与支線も幹線のはず…。
長崎本線と言えば、特急かもめがビュンビュン走る一大特急街道です。長崎の観光需要はそれは凄いものがあり、長崎本線もその一翼を担っていました。
そんな大動脈の長崎本線ですが、実は途中の浦上駅からぴょこっと路線が分岐して長与を経由して喜々津へと至るという、もう1つの路線があります。
つまり浦上から喜々津まで2つのルートが存在するわけですが、このうち長与駅を経由するルートが本来の長崎本線のルートです。
もっとも今は線形の良い新線ルートがメイン街道になって、長与ルートは旧線として忘れ去られました。が、廃線にもならず現在も長崎本線旧線、長与支線として元気に活躍しています。
私の乗車史としては、2019年の5月に長崎を訪問したついでにこの長与支線に乗ってきました。5月と言う中途半端な時期ですが、軍艦島に行くために安く航空券を入手できたのでそのついでに長与支線にも乗ろうと画策したわけです。
そんな長与支線ですが、乗ってみると大変満足感のある路線でした。大幹線の長崎本線から離れるとのどかな田園風景を見ながら列車は走り、本川内駅を出た後は谷間を抜けて一気に大村湾へと突入します。突然視界がパっと開けて海が一面に広がるという楽しい演出。
途中、東園駅に着く直前で、砂州(?)のような場所の上を通ります。上で紹介している写真の4枚目の場面になりますが、砂州の上に作られた堤防のような場所の上に線路が敷かれています。これによってまさに海の上を走っているかのような独特な風景が見られてとてもグッド。あまりに良かったので東園駅で途中下車、少しお散歩してこの区間を走る列車を眺めるなんてこともしました。
長崎は遠いですが、LCCを使えば格安で関空から直通です。長崎を訪れた際はぜひ長与支線にも乗ってみてください。
63・ JR指宿枕崎線 (鹿児島中央-枕崎) JR九州
路線名:JR指宿枕崎線 (鹿児島中央-枕崎)
乗車日:2016年3月
種別 :山川発枕崎行き普通列車など
乗車記:九州一周3日目
JR指宿枕崎線は鹿児島県の鹿児島中央駅から同じく鹿児島県の枕崎駅までを結ぶ地方交通線です。
指宿枕崎線といえばもちろん、日本最南端の鉄道路線です。最南端の駅である西大山駅と、最南端の終着駅である枕崎駅の両方が存在しています。
沿線には成層火山のような美しい形をした開聞岳があり、”何もない”があり。旅行記でも「指宿枕崎線には「何も無い」があるのです。」と書きました。
終着の枕崎は正真正銘、最南端です。この先に線路は続いていません。北海道の稚内からえっちらおっちら続いてきた数千キロの線路の終点が目の前にあるのだと考えると、とても壮大で感動したのをよく覚えています。
私はこの南端の枕崎駅を訪れたことで、対となる北端の稚内駅を訪れる決意をし、実際に稚内駅を訪問することになりました。
日本の広さと鉄道の楽しさを実感できる良い路線です。指宿枕崎線、ぜひ乗りに行ってください。
以上!おすすめのJR路線 63選と題して全国各地のおすすめJR路線をご紹介してきたこのシリーズも、今回が最終回となります。
え?最初は62選だったのにいつの間にか63選になってるだって?そうなのです…最後の指宿枕崎線に番号を振った段階で63路線になっていることに気が付き愕然としました。記事を構想する段階で全部リストアップして62個だったはずなのに、おかしいですねえ…。
それはともかく、今回は全国に数あるJR路線のうち、ごく一部の路線を紹介したにすぎません。ここで取り上げるには余白が狭すぎて今回は割愛したり、私が気付いていないだけで実際には素晴らしい路線がまだまだ存在すると思います。一度や二度乗車した程度ですべてに気付けるはずもありません。
ということで皆様、旅行に行きましょう。
それではまた。ご覧いただきありがとうございました!
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